OncoBEAM™ RAS CRCキットは、BEAMing(Beads, Emulsions, Amplification and Magnetics)法を測定原理とする高感度デジタルPCRにより、血漿から抽出したcfDNA(血中循環DNA:cell free DNA)中のRAS遺伝子変異(KRAS及びNRAS遺伝子のエクソン2、3、4領域の変異)を検出するキットです。
OncoBEAM™ RAS CRCキット
OncoBEAM™ RAS CRCキット 紹介動画
製品紹介編
実臨床における検査運用編
OncoBEAM™ RAS CRCキットによるリキッドバイオプシーのメリットを活かした検査活用事例や実臨床における検査運用フローを動画でご紹介します
使用目的
大腸がん患者の血漿から抽出したゲノムDNA中のRAS(KRAS及びNRAS)遺伝子変異の検出(セツキシマブ(遺伝子組換え)又はパニツムマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸がん患者への適応を判断するための補助に用いる)
測定原理
本品は、BEAMing(Beads, Emulsions, Amplification and Magnetics)法を測定原理とする高感度デジタルPCRにより、血漿から抽出したcfDNA(血中循環DNA:cell free DNA)中のRAS遺伝子変異(KRAS及びNRAS遺伝子のエクソン2、3、4領域の変異)を検出するキットです。
検出対象変異
| 遺伝子 | エクソン | コドン | 遺伝子変異個所アミノ酸(塩基) |
|---|---|---|---|
| KRAS | エクソン2(KR2) | コドン12 | G12S(g34a), G12R(g34c), G12C(g34t), G12D(g35a), G12A(g35c), G12V(g35t) |
| コドン13 | G13D(g38a) | ||
| エクソン3(KR3) | コドン59 | A59T(g175a) | |
| コドン61 | Q61L(a182t), Q61R(a182g), Q61H(a183c), Q61H(a183t) | ||
| エクソン4A(KR4A) | コドン117 | K117N(a351c), K117N(a351t) | |
| エクソン4B(KR4B) | コドン146 | A146T(g436a), A146V(c437t) | |
| NRAS | エクソン2(NR2) | コドン12 | G12S(g34a), G12R(g34c), G12C(g34t), G12D(g35a), G12A(g35c), G12V(g35t) |
| コドン13 | G13R(g37c), G13D(g38a), G13V(g38t) | ||
| エクソン3(NR3) | コドン59 | A59T(g175a) | |
| コドン61 | Q61K(c181a), Q61R(a182g), Q61L(a182t), Q61H(a183c), Q61H(a183t) | ||
| エクソン4(NR4) | コドン117 | K117N(g351c), K117N(g351t) | |
| コドン146 | A146T(g436a) |
検体条件

- 検体量:
血漿3mL(推奨)
- 採血管:
Streck採血管(cell-Free DNA BCT® CE)
医療機器製造販売認証番号:301AFBZI00047000
外国特例認証取得者及び製造業者:Streck, Inc.(アメリカ)
選任製造販売業者:マイクレン・ヘルスケア株式会社
住所 / 東京都新宿区払方町19番地1
電話番号 / 03-3513-6641
- 保 管:
常温(15℃以上25℃まで)
重要な基本的注意
- ※詳細は添付文書新規ウィンドウを開きますをご参照ください。
- 1腫瘍由来DNAが血漿中にじゅうぶんに漏出していない患者では、腫瘍組織にRAS遺伝子変異が存在しても、本検査で野生型と判定される可能性があります。特に肺転移のみを有する患者では、可能な限り腫瘍組織を用いた検査の実施を考慮してください。
- 2本検査でカットオフ値近傍において変異型と判定された患者では、腫瘍組織にRAS遺伝子変異が存在しない可能性を否定できません。このような患者では、腫瘍組織を用いた検査の実施についても考慮してください。
- 3上記を踏まえ、本検査は腫瘍組織を用いる検査と完全に置き換わらないことをじゅうぶんに理解した上で、本検査を実施してください。
全般的な注意
- 1本キットは体外診断用医薬品です。これ以外の目的には使用しないでください。
- 2本キットの検査の対象患者に対し、検査の目的・方法及び精度、特に不可避な偽陽性・偽陰性を含む性能限界などについて正確な情報を伝えてください。
- 3診断の際には、他の関連する検査結果や臨床症状等に基づいて総合的に判断してください。
- 4本キットをセツキシマブ(遺伝子組換え)またはパニツムマブ(遺伝子組換え)の適応を判定するための補助として用いる場合には、当該薬剤の本邦における最新の添付文書を参照のうえ使用してください。
- 5野生型と判定された場合でも、偽陰性の可能性を考慮し、セツキシマブ(遺伝子組換え)またはパニツムマブ(遺伝子組換え)投与に際し、考えられる不利益についてじゅうぶんに説明してください。また、投与後はじゅうぶんな経過観察を行ってください。
- 6本検査の選択とその結果の解釈の際には、日本臨床腫瘍学会が発出している大腸がん患者におけるRAS 遺伝子変異の測定に関するガイダンス等の最新の情報を参考にしてください。
大腸がん患者の血漿に含まれるRAS(KRAS及びNRAS)遺伝子変異を検出するOncoBEAM™ RAS CRCキットが2020年8月1日より保険適用になりました。
保険適用
| 区分 | 測定項目 | 測定方法 | 保険点数 |
|---|---|---|---|
| E3 (改良項目) |
RAS遺伝子検査(血漿) | 高感度デジタルPCR法と フローサイトメトリー法 |
7,500点 |
留意事項
D006-22 RAS遺伝子検査(血漿)
- 1RAS遺伝子検査(血漿)は、大腸癌患者の血漿を検体とし、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、高感度デジタルPCR法とフローサイトメトリー法を組み合わせた方法により行った場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。ただし、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できる。なお、本検査の実施は、医学的な理由により、大腸癌の組織を検体として、「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」処理が容易なものの「⑴」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、大腸癌におけるRAS遺伝子検査又は「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」処理が容易なものの「⑵」その他のもののうち、大腸癌におけるKRAS遺伝子検査を行うことが困難な場合に限る。
- 2本検査を実施した場合は、大腸癌の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書に記載する。
- 3本検査と、大腸癌の組織を検体として、「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」処理が容易なものの「⑴」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、大腸癌におけるRAS遺伝子検査又は「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」処理が容易なものの「⑵」その他のもののうち、大腸癌におけるKRAS遺伝子検査を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。
詳細は添付文書(PDF:387KB)PDFファイルが新規ウィンドウで開きますをご参照ください。
進行・再発大腸癌の患者を対象として、国内8施設において臨床性能試験を実施しました。

本品と比較対照法の判定一致率
有効解析対象の288例のうち、「RAS不明」8例を除いた280例において本品と比較対象法との一致率は86.4%でした。

- ※1本品で変異型であり比較対照法で野生型であった14例について、血漿を用いて別法(次世代シークエンス法)による測定結果及び患者背景から考察を行いました。その結果、6例については、別法の結果でも変異型と判定されており、血漿検体と組織検体の検体種間の乖離と考えられました。残りの8例については、いずれも試験法のカットオフ値付近の検体でしたが、不一致の原因は特定できませんでした。
- ※2本品で野生型であり比較対照法で変異型となった24例のうち、血漿が利用可能な18例について、別法(次世代シークエンス法)による測定結果及び患者背景から考察を行いました。その結果、15例については、別法においても野生型と判定され、試験法の結果と一致しました。なお、別法で変異型と判定されたたものが3例あり、この3例を除いた21例では、血漿検体と組織検体の検体種間の乖離又は腫瘍由来DNAが血漿中にじゅうぶんに漏出していない可能性が考えられました。
肺のみ転移の症例における本品と比較対照法の判定一致率
有効性解析対象の288例から「RAS不明」8例を除いた280例のうち、肺のみに転移を有していた31例における、本品と比較対照法との判定一致率は64.5%でした。

血漿を用いたctDNAアッセイ

腫瘍形成の過程において、腫瘍細胞に遺伝子変異が生じることがあります。このような腫瘍細胞が死滅すると変異遺伝子の断片(Circulating tumor DNA:ctDNA)が血中に放出されます1~9)。これらのctDNAを特異性の高いマーカーとして利用することにより、腫瘍の特性を調べることができます10,11)。ctDNAアッセイでは、腫瘍に生じた遺伝子変異がどのような状態であるかをリアルタイムで知ることができます。また、Liquid biopsyは組織生検と比較して低侵襲であり、腫瘍組織の採取が困難な状況においても比較的簡便に実施できます。組織検体の採取には選択バイアスが伴いますが、Liquid biopsyは全身的なアプローチであるため、バイアスを気にすることなく腫瘍の遺伝子変異を把握することが可能です。
高感度測定が可能なデジタルPCR法
デジタルPCR法は、各DNA分子を液滴中に分画して増幅することで分画ごとに充分なS/N比を確保でき、かつ1分子ずつカウントするため、微量な変異型でも正確に計数することが可能な技術です12)。

臨床性能試験における有効性解析対象の288例のうち、本品を用いてRAS変異型と判定された124例におけるMAF(Mutant allele frequency)
血漿検体を測定すると検出された変異のうち約30%がMAF1%未満でした13)。

引用文献
- 1Delgado et al. Tumour Biol. 2013; 34: 983-986
- 2Hashad et al. J Clin Lab Anal. 2012; 26: 467-472
- 3No et al. Anticancer Res. 2012; 32: 3467-3471
- 4Park et al. Oncol Lett. 2012; 3: 921-926
- 5Salvianti et al. PLoS One. 2012; 7: e49843
- 6Schwarzenbach et al. Clin Cancer Res. 2009; 15: 1032-1038
- 7Schwarzenbach et al. Mol Biosyst. 2011; 7: 2848-2854
- 8Schwarzenbach et al. Ann N Y Acad Sci. 2008; 1137: 190-196
- 9Fleischhacker et al. Biochim Biophys Acta. 2007; 1775:181-232
- 10Diaz et al. Nature. 2012; 486: 537-540
- 11Misale et al. Nature. 2012; 486: 532-536
- 12中村健一 臨床病理. 2016; 64(4): 400-406
- 13Bando H, Kagawa Y, et al.Br J Cancer. 2019 ; 120(10): 982-986
シスメックス独自の測定技術BEAMing法
本品で使用されているBEAMing法は、磁気ビーズ上でDNAを増幅し、フローサイトメトリーにて検出することにより、変異型DNAを高感度に確認する、デジタルPCR法をベースに開発された弊社独自の技術です。
BEAMingとは、Beads(ビーズ)、Emulsion(エマルジョン)、Amplification(増幅)、Magnetics(磁気)を意味します。

■ 血漿から抽出したDNA を検体として、全てのターゲット領域を正確性の高いDNA 合成酵素 でプレ増幅を行います。
■ Water in Oil エマルジョンを作成します。プライマーがコーティングされた磁性ビーズ上で検出対象領域のDNA増幅を行います。
■ エマルジョンを破壊し、磁性ビーズ上で増幅されたDNA と野生型検出用、変異型検出用、及びエマルジョンPCR による磁性ビーズ上での増幅確認用に、それぞれ異なる蛍光色素で標識されたコドン毎の蛍光プローブとハイブリダイゼーションさせます。
■ 蛍光標識された磁性ビーズをフローサイトメトリーにより蛍光分離解析を行います。
遺伝子変異検出キット OncoBEAM™ RAS CRCキット

体外診断用医薬品製造販売承認番号:30100EZX00010000
| 使用目的 | 血漿から抽出したゲノムDNA中のRAS(KRAS及びNRAS)遺伝子変異の検出(セツキシマブ(遺伝子組換え)又はパニツムマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸癌患者への適応を判定するための補助に用いる) | |
|---|---|---|
| 貯蔵方法 | Box1 -30~-15°C / Box2 2~8°C / Box3 15~25°C 指定された温度で保存してください。 |
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| 有効期間 | 20カ月(使用期限は外箱の天面に表示しています。) 下記構成試薬の有効期間 20カ月 : EmulsiFIRE 21カ月 : Multiplex PCR Master Mix、 Breaking Buffer 1 without Alcohols、 Breaking Buffer 2 without Alcohols、Hybridization Buffer |
|
| 包装単位 | 30テスト用 | |
| 構成品 | Box1 Positive Control Amplicon KRAS Exon 2 Positive Control Amplicon KRAS Exon 3 Positive Control Amplicon KRAS Exon 4A Positive Control Amplicon KRAS Exon 4B Positive Control Amplicon NRAS Exon 2 Positive Control Amplicon NRAS Exon 3 Positive Control Amplicon NRAS Exon 4 No Template Control (NTC) Multiplex PCR Master Mix Multiplex PCR Primer Mix Multiplex PCR DNA Polymerase Emulsion PCR Master Mix KRAS Exon 2 Emulsion PCR Master Mix KRAS Exon 3 Emulsion PCR Master Mix KRAS Exon 4A Emulsion PCR Master Mix KRAS Exon 4B Emulsion PCR Master Mix NRAS Exon 2 Emulsion PCR Master Mix NRAS Exon 3 Emulsion PCR Master Mix NRAS Exon 4 Emulsion PCR DNA Polymerase |
Box2 Hybridization Probe Mix 1 Hybridization Probe Mix 2 Hybridization Probe Mix 3 Hybridization Probe Mix 4 Hybridization Probe Mix 5 Hybridization Probe Mix 6 Hybridization Probe Mix 7 Hybridization Probe Mix 8 Hybridization Probe Mix 9 Hybridization Probe Mix 10 Hybridization Probe Mix 11 Hybridization Probe Mix 12 Emulsion PCR Beads |
| Box3 Breaking Buffer 1 without Alcohols Breaking Buffer 2 without Alcohols Hybridization Buffer EmulsiFIRE |
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OncoBEAM™ 用フローサイトメーター OF-500

医療機器製造販売届出番号:28B1X10014000004
| 使用目的 | OncoBEAM™ アッセイ用の検体測定をおこなう医療機器 |
|---|---|
| 電源/消費電力 | AC100~240V(50/60Hz)/350VA以下 |
| 寸法 | 約590mm(W)×約540mm(D)×約585mm(H)※本体のみ |
| 重量 | 約55kg ※本体のみ |
OncoBEAM™ 用前処理自動化装置 OL-10

医療機器製造販売届出番号:28B1X10014000045
| 使用目的 | OncoBEAM™ アッセイ用の検体前処理をおこなう医療機器 |
|---|---|
| 電源/消費電力 | AC100~240V(50/60Hz)/450VA以下 |
| 寸法 | 約860mm(W)×約670mm(D)×約610mm(H)※本体のみ |
| 重量 | 約87kg ※本体のみ |
OncoBEAM™ 用フローサイトメーターの 精度管理用物質 OF Check

非体外診断用医薬品
| 使用目的 | OncoBEAM™ 用フローサイトメーターの精度管理用物質 |
|---|---|
| 貯蔵方法 | -15°C以下、 融解後は2~8°C(再凍結禁止) |
| 有効期間 | 12カ月 開封後3カ月(但し開封前使用期限を超えない) ※Lot. ZS4003より適用 |
| 包装単位 | OF Check High 1.3mL × 1本(10テスト分) OF Check Low 1.3mL × 1本(10テスト分) |
CyFlow™ SHEATH
非体外診断用医薬品
| 使用目的 | フローサイトメーターに使用するシース液 |
|---|---|
| 貯蔵方法 | 2~35℃ |
| 有効期間 | 18カ月、 開封後2カ月 |
| 包装単位 | 10L |
CyFlow™ CLEAN
非体外診断用医薬品
| 使用目的 | フローサイトメーターに使用する洗浄液 |
|---|---|
| 貯蔵方法 | 1~30℃ |
| 有効期間 | 12カ月、 開封後2カ月 |
| 包装単位 | 50mL |
製品カタログ
- ※画像をクリックすると各種資料をダウンロードいただけます
- ※資料送付をご希望の場合はページ下部「お問合せ、資料請求フォーム」よりご請求ください
OncoBEAM™ RAS CRCキット 紹介動画
実臨床における検査運用編
OncoBEAM™ RAS CRCキットによるリキッドバイオプシーのメリットを活かした検査活用事例や実臨床における検査運用フローを動画でご紹介します
添付文書
学術論文
Bando H, Kagawa Y, et al.Br J Cancer. 2019 ; 120(10): 982-986
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