マテリアリティ

マテリアリティの再策定

シスメックスは、持続可能な社会の実現とシスメックスの持続的な成長に向けて、マテリアリティを特定しており、定期的に内容の検証・見直しを行っています。2023年度には長期経営戦略2033の策定と合わせて、長期ビジョン実現のための課題として、社会価値と企業価値におけるインパクト、いわゆるダブルマテリアリティの考え方のもと、5分野14項目のマテリアリティを特定しました。さらに、2026年には新中期経営計画(2026年度~2028年度)の始動に合わせて、医療課題をはじめ、ステークホルダーごとの抱える社会課題を再整理し、より定量的なアプローチを通じて、戦略との連動性を強化させたマテリアリティを再策定しました。なお、策定にあたっては、ステークホルダーとの対話を通じて得られた指摘・要望を重視し、経営会議で議論を重ねたうえで、最終的に取締役会で承認されました。

■再策定プロセス


1. 事業・バリューチェーン
 および主要ステークホルダーの
 把握
当社のマテリアリティ評価に向けた前提条件として、事業活動の範囲と関係主体を整理【整理内容】
  • 主要事業およびバリューチェーンの範囲を整理
  • 主要ステークホルダーを特定
  • 各ステークホルダーと事業活動との関係性を確認
2. サステナビリティ項目の抽出
各種ガイダンス、ガイドライン等を参考に全社のリスクリストを参照しながら、包括的なサステナビリティ項目リスト(163項目)を作成【参考・参照】
  • ESRS、ISSB(SSBJ)、SASB
  • ESG外部評価/インデックス
  • 全社リスク評価結果
3. IRO評価
(インパクト・リスク・機会)
上記リストを社会・環境と財務のダブルマテリアリティの観点から、短期(1〜2年)、中期(3〜6年)、長期(7年~)の時間軸を考慮し評価【評価基準】
  • インパクト(社会・環境):影響の大きさ×影響範囲
  • リスク:発生可能性×業績への負の影響度
  • 機会:発生可能性×業績への正の影響度
4. マテリアリティ項目の特定
上記評価のもと、戦略と各部門の取り組みとの連動性を考慮し、集約・整理を行い、より優先的に取り組むべき17項目を特定【詳細な特定プロセス】
  • 評価結果と戦略・活動の連動性を踏まえて集約・再整理し、30項目を抽出
  • 優先的に取り組むべき閾値を定めて再評価し、17項目を特定

5. KPIの設定

特定した17項目に関し、企業価値向上への貢献とステークホルダーへの提供価値を再整理。中期経営計画期間中の進捗および達成状況を把握するKPIを設定【KPIの項目】
  • KPI:63項目
  • うち継続KPI 49項目、新規設定KPI 14項目


マテリアリティマトリクス

MaterialityMatrix

テーマと重要課題

テーマ重要課題内容
健康社会への価値創出
1一人ひとりのQOL向上と健康寿命の延伸
2医療従事者の安全・生産性の向上
3医療経済性の向上
4医療アクセスの向上
患者さん・生活者一人ひとりのQOLや健康寿命に資するべく、検査・サービスの進化に努めるとともに、医療従事者の生産性向上などに寄与し医療の持続性に貢献。また、格差是正に向け、適切な検査を享受できる社会の実現を目指す。
イノベーションの創出
5革新技術の実装と知的財産の創出と保護
6独自のデータ・AIの活用
新たな検査・診断技術の創出のほか、蓄積データやデジタル技術の活用を通じ、より精緻で早期に診断・予測を可能とすることで、治療機会の最大化や予後改善を図る。
責任ある製品・サービス・ソリューションの提供
7品質と信頼の追求
8レジリエントなサプライチェーン構築による安定供給の維持
9各国医療行政への対応
さまざまな事象に対応した、検査を止めない製品供給・サービス体制を整えるとともに、変化・高度化する各国薬事規制および物流・地政学など多様なリスクにも対応した安定供給を果たす。
人的資本の最大化
10人材の獲得と育成
11DE&Iの推進
12健康増進と労働安全の推進
多様な従業員一人ひとりの能力が最大限に発揮される環境を整え、人的資本の強化を図る。
環境への負荷低減
13資源循環
14気候変動
15水資源
環境負荷の低減と循環型社会の実現に貢献する。
ガバナンスの強化
16法令遵守・人権尊重
17サイバーセキュリティ
ガバナンス強化とリスク低減を推進する。

シスメックスでは、サステナビリティ経営を加速していくことが重要であると認識しており、この度、再策定したマテリアリティも長期ビジョン実現のための課題として設定しています。今後の多様化・複雑化する社会環境を見据え、イノベーション、技術やデータ、デジタルの重要性をこれまで以上に強く認識するとともに、長期経営戦略の基本戦略および中期経営計画とマテリアリティがすべて一貫した戦略設計とすることを重視しています。なお、5分野14項目としていた前マテリアリティに比べ、新マテリアリティは6テーマ17項目と項目数は増加していますが、これは、各ステークホルダーへの価値提供や企業価値向上につながる取り組みを明確化し、戦略・活動との連動性を強化した結果です。

マテリアリティの内容として最重要としているのは、最終的な提供価値のゴールである「健康社会への価値創出」です。その実現に向け、「イノベーションの創出」と「責任ある製品・サービス・ソリューションの提供」に注力し、その基盤として「人的資本の最大化」、「環境への負荷低減」、「ガバナンスの強化」を図ります。

各取り組みの達成状況・進捗度を測るKPIについては、企業価値向上への貢献とステークホルダーへの提供価値を改めて定義しながら設計し、中期経営計画の中で主管部門・推進部門を定めています。また、その進捗は毎年取締役会や経営会議などで報告し、取締役が確認するとともに、状況に応じて今後の改善活動などを審議していきます。

なお、戦略の進捗や環境変化に合わせ、今後も定期的にマテリアリティの検証、見直しを行い、より実行力の高いサステナビリティ経営を推し進めていきます。

  • サステナビリティ目標は、前回中期経営計画に基づく目標体系で進捗を開示しています。