製品の安定供給

シスメックスは、検査の維持に欠かせない診断薬製品を、事業継続上特に重要な製品として位置付けています。いかなる状況においても医療現場の検査を止めないという考えのもと、世界各地の拠点を通じて診断薬の安定供給体制を構築しています。
平時から緊急時を見据え、原材料や製品の安全在庫を各地域で確保することで、工場や倉庫が被災した場合でも医療現場への製品供給を継続できるよう備えています。具体的には以下に示す6つの基本方針を規程として定めるとともに、ガイドラインにより施策や手順を具体化し、事業継続活動に取り組んでいます。

1)診断薬生産工場のグローバル分散化

主要な診断薬製品は、販売地域に近い各工場へ計画的に生産移管し、地産地消型の生産体制を構築しています。
これにより、供給リスクの分散による安定供給の実現を図るとともに、輸送リードタイムを短縮することで、より有効期間の長い製品提供が可能になります。また、CO2排出量削減などの環境負荷低減にもつなげています。

2)診断薬生産工場の強靭化

災害時に備えた生産移管体制を平時から整備することで、一部工場が被災した場合であっても、迅速な他拠点での代替生産を可能としています。
また、各工場において製造ラインの複数化や設備の耐震・防災対策の強化や非常用電源の確保、災害対応マニュアルの整備および訓練の実施を通じて、被災時の稼働停止リスクの最小化と早期復旧を図っています。

3)原材料の継続的な確保と複数社購買の推進

原材料については、平時からリスク特性に応じた安全在庫を保有するとともに、高リスク原材料は十分なBCP在庫を保有し、サプライヤーが被災した場合でも供給を継続できるよう備えています。
また、代替が難しい重要原材料については、複数の調達先への分散やサプライヤーと連携したバックアップ生産により、単一供給源への依存低減を図っています。

4)製品の安全在庫確保と複数拠点保管

各拠点で診断薬製品の適正な在庫水準を確保し、生産が一時停止した場合でも一定期間(原則1ヶ月以上)供給を継続できるよう備えています。有効期限管理を徹底し、適切な在庫管理を行っています。
また、サービスパーツについては、在庫拠点をグローバルに分散配置し、多品種にわたるパーツを在庫管理システムで一元管理することで、機器故障時にも迅速な保守サービス提供を可能としています。

5)物流網の整備と強靭化

災害や地政学リスクにより通常の輸送経路が遮断された場合に備え、代替輸送ルートや手順を定めたマニュアルを整備しています。代替空港・港湾や輸入許認可に関する情報を各地域で共有し、状況に応じて迅速に輸送経路を切替えられる体制を整えています。

6)より大きな影響に備えた相互供給

災害の影響が大きく、被災地域単独での供給維持が困難な場合には、強みであるグローバルな生産・供給ネットワークを活用します。域内での相互供給に加え、主要な製品については地域を越えた製品供給(グローバル相互供給)も行うことで、被災地域への供給を補完します。