検体検査のきほん

「検体検査」とは血液や尿など、体から採取した「検体」を使って身体の状態を調べる検査です。
⾎液や尿にはさまざまな情報がたくさん詰まっており、検査は私たちの健康管理のバロメーターとして⽋かせないものです。
検体検査は健康状態の確認から病気の診断、治療方針の決定、経過観察など、さまざまな役割があり、検査の種類も多岐にわたります。
このページでは、⾎液検査・尿検査でわかることや⾎液に関する基礎知識などをご紹介します。

Purpose

検体検査の⽬的
  • 病気の早期発⾒

    臓器の異常や細菌・ウイルスの感染など、疾患の有無を早期に発⾒するために検体検査を⾏います。

  • 治療⽅針の確定

    血中や尿中に含まれる成分、量等を調べることで、疾患の診断や治療⽅針の決定にあたって有益な情報を得ることができます。

  • 治療状況の確認

    治療中の疾患の経過観察、治療効果の確認にも有効です。

Process

検体検査の流れ

病院などにある検査室では、病気の診断・治療のために血液や尿などを調べています。

例:血液検査の流れ

採血室
採血

⾝体から採取された⾎液は、機器と診断薬※を⽤いて測定を⾏い、さらに詳しい検査が必要かどうかに振り分けられます。詳しい検査が必要でないと判定されたものは、そのまま医師に結果が報告されます。

※ 診断薬:検体検査に用いられる医療用医薬品のこと。人体に直接使用されるものではなく、体外に取り出された血液や尿などの検体を測定・分析するために使用されます。

検査室
測定・分析

詳しい検査が必要な場合

採⾎後の最初に⾏われる測定の結果、詳しい検査が必要であると判定されたものは⾎液細胞の形がわかる標本にして、検査技師が顕微鏡を使って確認することもあります。顕微鏡で細胞の異常を⾒分けるには、熟練の技術が必要です。この検査も機器で測定することができます。

診察室
診断

検査データが医師に届きます。機器の進化によってより詳細な分析を⾏えるようになり、診断に役⽴つ情報なども加えた報告が⾏われます。

尿検査についても、血液検査と同様の流れで、採尿後、検査室にて機器と尿試験紙や診断薬を用いて測定を行います。その後、検査結果が医師に届き、診断に役立つ報告が行われます。

Findings

検体検査でわかること

検体検査には、検査機器と診断薬が必要です。
シスメックスは、血液のさまざまな検査や尿検査に必要な機器と診断薬をお客様へお届けしています。

へマトロジー(⾎球計数検査)

血液中の赤血球や白血球などの数や種類、大きさを測定・分析する検査です。身体の状態を把握するために行われる最も基本的な検査で、病気の診断や治療、健康診断などで日常的に行われています。より精密な検査が必要かどうかの判断材料にもなります。

○関連する病気
貧⾎、⽩⾎病、⾎⼩板減少症、マラリアなど

尿検査

尿中の糖・蛋白(たんぱく)・潜血の有無やその程度を調べる検査です。

〇関連する病気
腎臓病、膀胱・尿管・尿道の病気、糖尿病など

⽣化学検査

栄養分を消化・吸収し、⽼廃物を排泄する働き(代謝)に関わる臓器の状態を、⾎液に含まれる糖や脂質、タンパク質などの成分から調べる検査です。

○関連する病気
糖尿病、動脈硬化、肝機能障害、
腎機能障害など

⾎液凝固検査

⾎液を固めて傷⼝をふさいだり、⾎液の固まり(⾎栓)を溶かしたりする働きの状態を調べる検査です。⼿術や投薬の際の重要な指標になります。

○関連する病気
⾎栓症、⾎栓性疾患 (⼼筋梗塞、脳梗塞)、
⾎友病など

免疫検査

⾝体の中から、ウィルスやがん細胞などの異物を取り除こうとする働き(免疫)の状態などを調べ、病気の原因や種類、症状などを判定する検査です。

○関連する病気
感染症(肝炎、エイズ、COVID-19)、
がん、アレルギーなど

遺伝⼦検査

遺伝⼦を検出・分析することにより、患者さん⼀⼈ひとりの特性にあった最適な治療⽅針の決定や投薬の判断に貢献する検査です。

○関連する病気
がんなど

Personalized Medicine

個別化医療の進展
  • 患者さん⼀⼈ひとりに最適な治療法の選択を⽬指して

    疾患の状態は⼀⼈ひとりで異なるため、同じ病気であっても同じ治療法を適⽤することが必ずしも正しくないことは以前より知られていました。近年では、遺伝⼦解析技術の発展により患者さん⼀⼈ひとりに最適な治療法の選択ができるようになってきています。最適な治療法の選択は、患者さんの⾝体的な負担の軽減だけでなく、医療費の抑制にもつながります。

  • 個別化医療に向けた取り組み

    患者さん⼀⼈ひとりに最適な医療を提供するため、シスメックスはがん、慢性疾患をはじめとする様々な疾患領域において、今までにない価値の⾼い検査・診断技術の創出に向けた研究・技術開発を⾏っています。⾎液や体液から、がんなどの疾病の検査を⾏うリキッドバイオプシーにより適切な診断・投薬に貢献し、個別化医療の実現を⽬指します。

⾎液には、健康のバロメーターとなるさまざまな情報が詰まっています。
そんな⾎液についてご紹介します。

What is Blood?

⾎液って?

⾎液にはさまざまな情報がたくさん詰まっており、⾎液検査は私たちの健康管理のバロメーターとして⽋かせないものです。
体調不良のときに病院で⾎液検査をしたり、職場や学校の健康診断で定期的に⾎液検査をするのはそのためです。

あなたの体の中の⾎液

⾎液は、体重の約13分の1を占めており、成⼈では2リットルのペットボトル2本から3本に相当します。
また、⾎管は全てつなぐと約10万kmで、地球を2周半する⻑さになります。

⾎液の3つの役割

1. 運搬

まず、重要な役割として「運搬」があります。酸素、⼆酸化炭素のほかに、栄養素、ホルモン、免疫物質の運搬、さらには⽼廃物を体外に排出する役割を持っています。

  • 酸素、⼆酸化炭素の運搬
  • 栄養素、ホルモン、免疫物質の運搬
  • ⽼廃物の排出
2. ⽣体の防御

細菌などの異物の除去や、怪我などで出⾎したときに出⾎を⽌める役割があります。⾎液には、出⾎を最⼩限に抑え、体の⾎液の量を保ち、⽣命を維持する働きがあります。

  • 異物除去(細菌などの病原体の除去)
  • ⽌⾎(出⾎を⽌める)
3. 体内環境の維持

⾎液には、体内で作られた熱を体全体に広め、体温を調節するなどの、体の中の環境を調整する役割があります。

  • 浸透圧の維持 ※1
  • pHの維持 ※2
  • 体温の調整

※1 ⾎液と組織液の浸透圧は通常平衡状態を保っています。浸透圧のバランスが崩れ⾎液の浸透圧が低くなった場合には、⾎中の⽔分が組織へ移動し、むくみなどが⽣じることがあります。
※2 ⾎液のpHは7.4付近の弱アルカリ性です。pHが7.4より下がるとアシドーシス、上がればアルカローシスといい、重度になると⽣命の危機につながることがあります。

⾎球って?

⾎液を採取し、顕微鏡で覗くといろいろな成分が含まれていることがわかります。
⾎液の中⾝は、⾚⾎球、⽩⾎球、⾎⼩板の⾎球成分と栄養素やホルモン、不要物などを運ぶ⾎しょう(約90%が⽔分)とに分けられます。

⾎液成分
⾎液成分の図
⾚⾎球
酸素と二酸化炭素を運ぶ

⾚⾎球は⾎球の中でもっとも多く、全体の約96%を占めています。⾎液が⾚いのは、⾚⾎球の中に酸素と結合したり離したりできるヘモグロビンという⾎⾊素があるためです。⾚⾎球は肺と各組織の間で酸素と⼆酸化炭素を運搬する役割を担っています。⾚⾎球の⼤きさとヘモグロビン量(⾎⾊素量)などを測定することにより、貧⾎の種類・性質などがわかり、原因を類推できます。

⽩⾎球
細菌やウィルスを攻撃し、感染を予防する

⽩⾎球の数(好中球、リンパ球等の種類ごとの数)を測定すると炎症やウィルス感染、⽩⾎病などの体の異変の有無がわかります。また、アレルギーや感染症の診断の⼿がかりとなります。

⾎⼩板
出血を止める

⾎⼩板は怪我などで破れた⾎管の壁の⽳をふさぎ、元通りにする働きを持っています。怪我をした時にかさぶたができるのは、⾎⼩板が働いて⽳を防いでいるためです。⾎⼩板の数を測定することで、出⾎を⽌める働きを診ることができます。

このように⾎球は、体内の⽣命活動を維持するため重要な役割を果たしています。
体に異常や変化が⽣じた場合には、⾎球やその他の成分にも変化が現れるため、⾎液からさまざまな情報が得られます。
病院や職場、学校では⾎液検査は定期的に⾏われ、体の異常や変化の早期発⾒に役⽴てられています。
健康管理や病気の診断・治療において重要な役割を果たす⾎液検査を、シスメックスは⽀えています。

Blood Trivia

血液の豆知識

赤血球は1日に2,000億個
つくられている。

これは、古い赤血球が壊され、新しいものが常に補われるサイクルが体内で繰り返されているためです。赤血球は、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞に届け、細胞から出た二酸化炭素を再び肺へ運ぶという重要な役割を担っています。

白血球はウイルスと戦うために
血管から抜け出すことができる。

白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う免疫細胞です。異物が侵入すると、白血球はその場所へ向かうために、アメーバのように形を変えて血管のスキマを通り抜け、血管の外へと移動することができます。

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