経営方針

トップメッセージ

第2四半期では回復も、特殊要因の影響などにより減収・減益

売上高は、日本・中国の影響により減収も、その他地域では伸長

営業利益は特殊要因の影響や販管費の増加などにより減益

2025年11月
シスメックス株式会社
代表取締役社長

  ステークホルダーの皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

  2026年3月期第2四半期の業績は、回復傾向にあるものの、第1四半期に実施した日本の基幹システム切り替えによる受注制限や海外棚卸資産の評価額見直しなどの特殊要因や円高、中国市場環境変化などの影響により、減収・減益となりました。売上高は前年同期比4.1%減、営業利益は同25.9%減、中間利益※1は同26.9%減となりました。
 
 地域別に見ると、米州、EMEA、APにおいて、各分野の試薬売上が順調に増加しました。米州では、ヘマトロジー※2・尿分野の機器・試薬がいずれも好調に推移し、アミロイドβ※3検査試薬も大きく伸ばしました。EMEAでは、中東の地政学的影響による一部減収があったものの、主要国を中心に機器・試薬ともに堅調に推移しています。また、ドイツではCN™シリーズなどの大型案件を獲得するなど、今後さらなる成長が期待されます。APでは、インドにおけるヘマトロジー分野の試薬が大きく伸長したほか、フィリピンなど東南アジアでもヘマトロジー・尿分野が順調に拡大し、2桁の増収となりました。
 
 メディカルロボット事業は、国内およびシンガポール・マレーシアにおける症例数が順調に増加しており、今後は欧州での薬事認可取得を予定しているため、市場のさらなる拡大が見込まれます。

 

 2026年3月期の連結業績予想につきましては、中国での事業環境変化を受け、売上高5,100億円、営業利益760億円へ下方修正しました。配当につきましては、期初予想どおり、1株につき38円(中間19円、期末19円)を予定しており、記念配当を含めて前年から6円増配となります。

 
 2027年3月期に向けては、欧米での血液凝固事業の拡大、インドなど新興国での成長継続、生化学検査事業の開始、日本および中国の回復などを成長要素として、さらなる増収増益を目指してまいります。
 
 ステークホルダーの皆様には、引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 

 

 ■2026年3月期通期 想定為替レート(円)

 

1USD

1EUR

1CNY

202511月発表

148.5

171.5

20.8

20255月発表

142.0

160.0

19.5

【参考】20253月期実績

152.6

163.8

21.1

 

*1 中間利益:親会社の所有者に帰属する中間利益。
*2 ヘマトロジー分野:血液中の赤血球や白血球などの数や種類、大きさを分析することにより、
   精密な検査が必要かどうかを判断するための検体検査分野。
*3 アミロイドβ:アルツハイマー病患者の脳組織の病理学的特徴の一つである老人斑の主要構成
   成分であり、40 個程度のアミノ酸から構成される。