国や文化、価値観の違いを越え、世界中の仲間とともにヘルスケアの未来を切り拓いていくために必要なリーダーとは——。
シスメックスでは2025年、グローバルで活躍する次世代リーダーの育成を目的としたプログラム「KIZUNA」を立ち上げました。約14カ月にわたり実施されたこのプログラムには、世界各地から選抜された14名のシニアマネージャーが参加。互いの価値観や経験に向き合いながら、シスメックスのこれからに必要なリーダーシップをともに考えるまたとない機会となりました。
プログラム名の「KIZUNA(絆)」には、人と人との本質的で継続的なつながりを育みたい、という思いが込められています。「知識を学ぶ場」であると同時に、「人とつながる場」であること。それが、このプログラムの特長です。
本記事では、「KIZUNA」に関わったメンバーたちの声を通して、その軌跡をたどります。

KIZUNAが描く、あるべきリーダーの姿

Ian Lee Rodgers
シスメックス株式会社 人事本部 シニアプランナー
これまでシスメックスでは、各地域でリーダー育成を行ってきました。ただ、その多くはローカルでのアプローチが中心でした。しかし、今後さらにグローバルで成長していくためには、地域を越えて共通の視点や価値観を持つリーダー層が必要だと考えたのです。私たちは今、「グローバルに成長する段階」から、「グローバルに連携し、共創する段階」へ移行しようとしています。そのためには、異なる文化や価値観を理解し、地域や部門を越えて人をつなげられるリーダーが欠かせません。また、ヘルスケア業界を取り巻く環境は、技術革新や医療ニーズの多様化・複雑化によって日々変化しています。不確実な状況においてもしなやかさをもち、環境変化に適応しながら、組織を前に進める力が求められています。

Alexandra Zervos
Head of EMEA People & Culture Development, Sysmex Europe SE
KIZUNAは、「人とつながる場」であることをとても大切にしています。例えば参加者たちは、グループ企業理念である「Sysmex Way」 が世界各地でどのように浸透しているかを調査するカルチャープロジェクトに取り組みました。国や地域の状況によって、その受け止め方や実践のあり方は異なります。参加者は国や組織の枠を越えて、約1年にわたり議論を重ねました。自分たちにとってのSysmex Wayとは何かを問い直し、再びそれぞれの場所でどのように実践していくかを考え抜く機会となりました。異なる価値観を持つ仲間と向き合い、協働しながら学んでいく。そのプロセス自体が、このプログラムの大きな価値だと思っています。
プログラム参加者の声
国境を越えて、人や視点、目的をつなぐ存在へ

Emilani Nababan
President Director, PT. Sysmex Indonesia
リーダーシップとは人を導くこと。地域ごとに医療環境や市場の前提が大きく異なるインドネシアで組織を率いる立場として、私はずっとそのように考えていました。しかしプログラムを経たいま、周囲のメンバーが自ら力を発揮し、目標に向かって、自然と前に進んでいく環境をつくることが重要だと感じています。それは、単に指示を出すことではありません。人々が自ら最高のパフォーマンスを発揮したいと思えるように、信頼関係や共通の目的をつくることだと思っています。
私にとってグローバルリーダーとは、境界を越えて、人や視点、目的をつなげられる存在です。プログラムを通じて、多様な地域のメンバーと対話する中で、市場や文化、課題は違っていても、私たちは共通の目的に向かっていることを強く実感しました。そして、自分の居場所で何をするべきかがよりクリアになりました。
グローバルに考え、ローカルで実践する

Ulf S. Skimmeland
Senior Executive Officer and Member of the EMEA Board, Sysmex Europe SE
国や地域によって医療環境や事業の前提は異なっていても、リーダーとして向き合う本質的な課題には、共通点が多いということを実感しました。私が担当するEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域のように、複数の国・市場をまたいで事業を推進していると、それぞれの地域での医療課題に合わせた取り組みの必要性を日々感じます。しかし、それと同時に、個々の違いに目を向けるだけでなく、全体をどう捉えるかが重要ではないかと考えるようになりました。
KIZUNAを通じて、私がより強く意識するようになったのが、“Think global – act local”という考え方です。グローバルな視点を持ちながら、それぞれの地域の現実やスピード感に根差して行動する。それを両立することの本質的な重要性について、自分の中で改めて捉え直す機会となりました。
メンバーの相互理解と信頼をチームの力に

大藤 悟
シスメックス株式会社 経営企画室長
これまで、アジアでの駐在を含め海外地域と日本本社の双方で業務経験を重ねてきました。グローバルなチーム経営を実現するためには、本社だけでなく、海外地域メンバーの意識の変化も必要だと感じています。本社の立場からそれをどのように良い形で引き出していくかが、今後の自分自身のテーマの一つだと考えています。一方で、本プログラムを通して、多様なメンバーがお互いを理解し、より強いチームワークを生み出していくことは十分に実現可能だという確信を持つことができました。グループの仲間が、信頼と絆に基づく優れたチームワークを発揮する組織づくりに取り組み、グローバル企業で働くことのダイナミックさや楽しさを、自ら体現しながら社内へ広げていきたいと思います。
それぞれの現場で続くKIZUNA
2026年5月、KIZUNA第1期は神戸での最終モジュールを終えました。
しかし、このプログラムはここで完結するものではありません。参加者たちはこれから、それぞれの地域や組織へ戻り、学びを実践へとつなげていきます。国を越えて築かれた信頼関係もまた、今後のシスメックスを支える大きな力になっていくでしょう。
シスメックスが目指しているのは、単にグローバルに事業を展開する企業ではなく、異なる文化や価値観を尊重しながら、人と人とのつながりを力に変え、共に未来をつくっていける組織です。
「KIZUNA」という名前に込められた思いは、14カ月のプログラムを終えた今も、関わったすべてのメンバーの中で息づいています。






