インターフェロンーλ3キット「HISCLIFN-λ3 試薬」

SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定
補助として、血清中のインターフェロンーλ3の
測定にお使いいただけます。

諸元

測定原理 2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)
適応検体 血清
【測定試料の性質、採取法】
  1. 1検体は採取後、できるだけ速やかに測定してください。
  2. 2速やかに測定できない場合は、-80℃で凍結保存してください。凍結保存した検体は、凍結融解を繰り返すことは避けてください。
  3. 3採血時、溶血しないよう注意してください。
  4. 4冷蔵又は冷凍保存されていた検体を使用する場合は室温に戻してください。
  5. 5患者検体の採取/輸送方法については、国立感染症研究所より公表されている「2019-nCoV(新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル」、厚生労働省より公表されている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」 に従って実施してください。
測定範囲 3.0~200.0pg/mL
測定時間 約17分(検体吸引から測定結果表示までの時間)
使用期限 未開封 12カ月
開封後 30日
  • 外観・仕様については改良のため予告なしに変更することがあります。
  • このページの商品情報は、日本国内販売向けのもので、その他の地域については異なる場合があります。

包装

体外診断用医薬品 製造販売承認番号

HISCL IFN-λ3 試薬
30200EZX00089000

製造販売元

シスメックス株式会社

判定法・臨床的意義

判定法

SARS-CoV-2陽性患者の重症化予測診断のカットオフ値:13.6pg/mL(2)

判定上の注意

1.
SARS-CoV-2陽性患者において、重症(呼吸不全を伴う中等症II以上)化する前に、IFN-λ3の一過性の上昇が認められることが報告されています。(2)このため、IFN-λ3測定値がカットオフ値を超える一過性の上昇後、カットオフ値以下まで低下した時期に採血を行った場合は、重症化を予測できない可能性があります。SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助には、他の関連検査及 び臨床症状等も含めて総合的に判断してください。

2.
免疫反応においては、一般的に非特異反応により陽性または陰性の判定となる場合があることが知られていますので、測定結果に基づく診断は他の関連検査及び臨床症状等により総合的に判断してください。
非特異反応の原因としては、各種の自己抗体、不溶物(特にフィブリン)及び自然抗体などが考えられます。

3.
希釈測定はできません。測定結果が測定範囲上限を超えた場合は、測定上限以上として扱ってください。

4.
IFN-λ3はC型慢性肝炎患者の血清で高値を示すことが報告されています。(2)(3)そのため、測定結果に基づく診断は他の関連検査及び臨床症状等により総合的に判断してください。

臨床的意義

IFN-λ3はIII型インターフェロンの一つであり、抗ウイルス活性と免疫応答の調整を行っている分子です。
生体内では、IFN-λ3は受容体に結合した後、JAK活性化およびSTAT1/STAT2のチロシンリン酸化を誘導します。
リン酸化されたSTAT1およびSTAT2は、他の因子と結合して、転写因子複合体を形成し、核内へ移行することで様々なサイトカイン類を含む免疫応答に関連する分子の発現、調整を行っていると言われています。(4)(5)

杉山ら(2)は、SARS-CoV-2に感染した患者血清中のIFN-λ3を経時的に測定し、酸素吸入・人工呼吸器の装着が必要になる症例において、血清中のIFN-λ3の濃度が上昇する現象を見出し、本分子の測定がSARS-CoV-2陽性患者の重症化予測に寄与する可能性を報告しています。

酸素吸入・人工呼吸器の装着が必要となった重症例12例、軽症例16例の治療経過中のIFN-λ3の最大値との関係を検討し、ROC解析によるIFN-λ3のカットオフ値は13.6pg/mLでした。

臨床性能試験

臨床性能試験

本臨床性能試験はSARS-CoV-2感染により入院となった患者において、本品の患者重症化判定の補助に対する臨床的有用性を検証することを目的として実施されました。
対象患者の重症度は、COVID-19診療の手引き中の重症度判定により酸素投与が必要となる中等症II以上を重症例としました。

1. 本品による重症化判定の補助

入院後、経時的に採血を実施された32例の症例について入院後いずれかの時点で血清中のIFN-λ3がカットオフ値(13.6pg/mL)以上となった症例を本品の陽性として重症化との全体一致率を判定しました。(表1)

重症度:厚生労働省より公表されている「COVID-19診療の手引き」(第4版)中の重症度判定

また、表1の検討結果の内、初回採血時以前に既に中等症IIの症状を示した10症例を除外した22症例について、重症化を判定したところ、表2のとおりでした。

2. 重症化リスクの判定

表3は表2の検討結果から、中等症II以上と分類された9症例において、IFN-λ3陽性判定日と、酸素吸入開始日を比較したものです。

中等症II以上と分類された患者9症例中8症例で、酸素吸入開始日の1〜3日前に、IFN-λ3測定値が陽性であることが確認されました。
この結果から本品で測定しているIFN-λ3は SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助に利用可能なマーカーであることが示されました。

主要文献

  1. 1製造販売承認申請資料
  2. 2Sugiyama M et al. : Serum CCL17 level becomes a predictive marker to distinguish between mild/moderate and severe/critical disease in patients with COVID-19. : Gene in press.
  3. 3Aoki Y et al.:Association of serum IFN-λ3 with inflammatory and fibrosis markers in patients with chronic hepatitis C virus infection.: J Gastroenterol, 50, 894 (2015)
  4. 4Li M et al.: Interferon-λs: the modulators of antivirus, antitumor, and immune responses.: J Leukoc Biol, 86, 23 (2009)
  5. 5Wack A et al.: Guarding the frontiers: the biology of type III interferons.: Nat Immunol, 16, 802 (2015)

HISCL IFN-λ3 試薬の特徴

国立国際医療研究センターの杉山らは、COVID-19 症例から経時的に採取された血清を用いて、重症化を予測するマーカーを検索し、Interferon-λ3 (IFN-λ3;インターフェロンラムダ3) が重症化予測に有用なマーカー1のつであることを報告しています。IFN -λ3はCOVID-19 症例において、呼吸不全により酸素投与が必要になる中等症Ⅱ以上の症状を示す前にその値が上昇していることが特徴です。下記のグラフでは、COVID-19 症例の治療中のIFN-λ3濃度変動の典型例を示します。
(各グラフ中の矢印は酸素投与開始日、赤点線はIFN-λ3のカットオフ値 (13.6pg/mL)を示します。各グラフ下に記載の体温、SpOは初回測定時の値です。)

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