Th2ケモカイン・TARCキット「HISCLTARC試薬」

アトピー性皮膚炎の重症度評価の補助、SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助、薬剤性過敏症症候群(DIHS DRESS)の診断の補助として、血清中のヒトTARC量の測定にお使いいただけます。

諸元

測定原理 2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)
適応検体 血清
【測定試料の性質、採取法】
  1. 1検体は血清を使用してください。トロンビン入りの採血管は測定値に影響を与えるおそれがあるため使用しないでください。
  2. 2検体は採取後、できるだけ速やかに測定してください。
  3. 3検体は室温に戻してから使用してください。
  4. 4検体の保存が必要な場合は、冷蔵(2~8℃)又は‐20℃以下の凍結保管で1ヵ月間保存できます。ただし凍結融解を繰り返すことは避けてください。
  5. 5凍結保存されていた検体を使用する場合は、速やかに融解し、よく混和してから使用してください。
測定範囲 10~30,000pg/mL
測定時間 約17分 (全自動免疫測定装置HISCL-5000/HISCL-800又は同等品を用いた場合、検体吸引から測定結果表示までの時間)
使用期限 未開封 12か月
開封後 30日
  • 外観・仕様については改良のため予告なしに変更することがあります。
  • このページの商品情報は、日本国内販売向けのもので、その他の地域については異なる場合があります。

包装

  1. ※1:R1試薬とR3試薬は一体型の容器で提供されます。
  2. ※2:これらの製品は別売品となります。
  3. ※3:これらの製品はシスメックス株式会社が製造販売する商品です。また、HISCL発光基質セット及びHISCL洗浄液は、HISCL HBsAg試薬の構成試薬です。

体外診断用医薬品 製造販売承認番号

HISCL TARC 試薬
225AAAMX00132000

製造販売元

シスメックス株式会社

判定法

1.アトピー性皮膚炎の重症度評価の補助
参考基準範囲(2),(3)
小児 (6ヵ月以上12ヵ月未満)   1,367pg/mL未満
小児 (1歳以上2歳未満)           998pg/mL未満
小児 (2歳以上)              743pg/mL未満
成人                450pg/mL未満

基準範囲は様々な要因により変動することがありますので、あらかじめ各施設で設定することをお勧めいたします。

2.SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助
カットオフ値(1),(4)
成人:95.0pg/mL

  • SARS-CoV-2陽性患者において、重症(呼吸不全を伴う中等症II以上)化する患者のTARC濃度は、発症初期からカットオフ値以下の値を示すことが確認されています(1)

判定上の注意

<SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助>

  1. 1本品はSARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助を目的としているため、重症化後には使用しないでください。なお、重症化する患者でもカットオフ値以下であったTARC濃度が病態経過に応じて上昇する症例があるため、SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助には、他の関連検査及び臨床症状等も含めて総合的に判断してください。

<使用目的共通>

  1. 1免疫反応においては、一般的に非特異反応により異常高値となる場合があることが知られていますので、測定結果に基づく診断は他の関連検査及び臨床症状等により総合的に判断してください。非特異反応の原因としては、各種の自己抗体、不溶物(特にフィブリン)及び自然抗体などが考えられます。
  2. 2測定結果が測定範囲上限を超えた検体は、別売のHISCL検体希釈液(1%BSAを含むトリエタノールアミン緩衝液、pH7.5)を用いて希釈し、再検査してください。また検体を希釈する場合は正しく希釈してください。

主要文献

  1. 1製造販売承認申請資料
  2. 2藤澤隆夫ほか:日本小児アレルギー学会誌,2005,19(5),744
  3. 3玉置邦彦ほか:日本皮膚科学会雑誌,2006,116(1),27
  4. 4Sugiyama M. et al.:Gene,2021,766,145145

臨床性能試験(SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助)

【臨床的意義】

TARCはCCケモカインの一つ(CCL17)であり、リンパ球(CCR4を発現するTh2細胞)を炎症部位に遊走させる作用をもつ分子です。
アトピー性皮膚炎では、Th2優位の免疫応答により、IgE産生や好酸球の浸潤・活性化が惹起されてアレルギー症状が出現すると考えられています。
杉山らは、SARS-CoV-2に感染した患者血清中のTARC量を経時的に測定し、酸素吸入・人工呼吸器の装着が必要となった重症(呼吸不全を伴う中等症II以上)化群と必要にならなかった軽症(中等症I以下)群(5)の入院直後のTARC量を比較検討した結果、重症化群のTARC濃度が軽症群に比べて有意に低いことを見出し、本分子のSARS-CoV-2陽性判定後速やかな測定が、重症化する可能性のある患者を早期に予測するために有用であることを報告しています(4)。酸素吸入・人工呼吸器の装着が必要となった重症化群(19例)と軽症群(59例)の、ROC曲線からYouden法により算出したカットオフ値は95.0pg/mLでした(1)(4)

【臨床性能試験 試験概要】

登録症例数:COVID-19感染者:86例(主要解析対象:78例)
評 価 項 目:COVID-19の予後と重症化前のTARC 値の関係を評価することで、重症化予測能を評価する。
患者の定義:COVID-19軽症者(軽症/中等症Ⅰ):風邪症状もしくは軽度肺炎のあるもの、COVID-19重症者(中等症Ⅱ):肺炎悪化により酸素供給の必要なもの、COVID-19重篤者(重症):肺炎悪化により人工呼吸器もしくはECMOの必要なもの

本成績は国立国際医療研究センターで実施した臨床研究(Sugiyama M, et al. Gene 2021(766), 145145)の事後解析の結果であり、承認時評価資料より引用

COVID-19患者のTARC値推移(6)

TARCは、重症化(呼吸不全を伴う中等症II以上)に至る患者では発症初期から重症化するまでの期間は低値を示しました。

  • 診療報酬の算定方法の留意事項

COVID-19と診断された患者(呼吸不全管理を要する中等症以上の患者を除く。)の重症化リスクの判定補助を目的として、血清中のTARC量を測定する場合は、一連の治療につき1回を限度として算定できる。

本品による陽性判定と重症化の関係(6)

表1の症例から採血日と重症化日(中等症Ⅱ以上の症状を示した日)が同一であった12症例を除外した66症例。

  • カットオフ値は12例を除外しないで設定した95.0 pg/mL

また、表2の重症群(7症例)の採血日と酸素吸入開始日の関係は、表3に示す通りでした。

表3 重症群における採血日と酸素吸入開始日の関係

酸素吸入開始日を重症化日(中等症Ⅱ以上の症状を示した日)としました。

主要文献

  1. 1製造販売承認申請資料
  2. 2藤澤隆夫ほか:日本小児アレルギー学会誌,2005,19(5),744
  3. 3玉置邦彦ほか:日本皮膚科学会雑誌,2006,116(1),27
  4. 4Sugiyama M. et al.:Gene,2021,766,145145
  5. 5厚生労働省 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き,第9.0版
  6. 6HISCL TARC試薬 添付文書

お問い合わせ先

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