活性化部分トロンボプラスチン時間キット レボヘム™ APTT SLA におけるクロスミキシングテストによる病態鑑別方法の検討

著者
下村 大樹※1,松本 智子※2,河野 紋※1,高田 旬生※1,高田 章美※1,熊野 穣※3,上田 香織※4,
北野 圭介※5,新井 信夫※5,嶋田 昌司※1,上岡 樹生※1
- ※1公益財団法人 天理よろづ相談所病院 臨床検査部
- ※2学校法人 天理よろづ相談所学園 天理医療大学 医療学部
- ※3HYPHEN BioMed,SAS
- ※4シスメックス株式会社 大阪支店
- ※5シスメックス株式会社 診断薬エンジニアリング本部 タンパク技術グループ
Summary
活性化部分トロンボプラスチン時間 ( 以下,APTT ) の延長は,凝固因子低下および凝固因子インヒビターなどの出血を呈する症例でみられる一方,血栓症の危険因子であるループスアンチコアグラント ( 以下,LA ) の存在する場合にも認められる。これらの病態鑑別としてAPTT によるクロスミキシングテストが用いられている。クロスミキシングテストの実施にあたっては,その病態鑑別能の向上のためLA 感度の高いAPTT 試薬が推奨されている。本研究では,高いLA 感度を有する活性化部分トロンボプラスチン時間キット レボヘムTM APTT SLA ( シスメックス株式会社:以下,レボヘム APTT SLA ) を用いてクロスミキシングテストを実施して各検体での比較,解析を行った。
対象は,LA 陽性検体34例,凝固因子低下検体54例,凝固第VIII 因子インヒビター検体8例,および抗凝固療法検体39例を用いた。なお,ワルファリン服用例は凝固因子低下検体,未分画ヘパリン,direct oral anticoagulants,アルガトロバン,およびナファモスタットメシル酸塩投与例は抗凝固療法検体として分類した。グラフ判定方法は目視判定法と定量化指標としてIndex of Circulating Anticoagulant ( 以下,ICA ) を用いた。
目視判定法において,LA 陽性検体は27例が即時型インヒビター,7例が判定困難,凝固因子低下検体は52例が凝固因子低下,2例が判定困難,および凝固第VIII 因子インヒビター検体は7例が遅延型インヒビター,1例が判定困難の結果であった。抗凝固療法検体群では薬剤によりパターンの相違を確認した。目視判定法とICAの一致率は,LA 検体が79%,凝固因子低下検体が96%,凝固第VIII 因子インヒビターが63%であり,凝固因子低下検体ならびにLA 陽性検体で高い一致率を示した。
クロスミキシングテストはLA,凝固因子低下および凝固因子インヒビターなどのAPTT延長原因を推定する有用な方法である。本研究において,レボヘム APTT SLA は目視判定法のグラフパターンに基づいて,それぞれの検体の大部分を判定することが可能であり,十分な性能を有すると考えられた。また,判定困難な例では,定量化指標を補助的に用いた慎重な判定が望ましい。
Key Words
活性化部分トロンボプラスチン時間 ( APTT ), クロスミキシングテスト, 凝固因子低下, ループスアンチコアグラント ( LA ), 凝固因子インヒビター
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