全自動血液凝固測定装置 CN-6000 における活性化部分トロンボプラスチン時間キット レボヘム™ APTT SLA の基礎的検討

著者
下村 大樹※1, 河野 紋※1, 高田 旬生※1, 高田 章美※1, 上田 香織※2, 熊野 穣※3, 嶋田 昌司※1,
上岡 樹生※1
※1 公益財団法人 天理よろづ相談所病院 臨床検査部
※2 シスメックス株式会社 大阪支店
※3 HYPHEN BioMed, SAS
Summary
新たに発売された活性化部分トロンボプラスチン時間キット レボヘムTM APTT SLA ( シスメックス株式会社:以下,Rev,シスメックス ) の基礎的検討を行った。同時再現性,日差再現性,オンボード安定性は結果に問題なく,ロット間差は十分に小さかった。136検体を用いて設定した基準範囲はRevが活性化部分トロンボプラスチン時間キット トロンボチェック APTT-SLA ( シスメックス:以下,TC ) より短縮傾向を示した。凝固因子感受性は,希釈試験 ( in vitro ) でRevはTCより第Ⅴ因子,第VIII因子,第IX因子,第X因子および第XII 因子における低濃度域の感受性が高かった。臨床検体 ( in vivo ) による各種凝固因子低下検体は,第VIII因子活性1%未満13検体においてRevがTCより延長傾向を示した。第VIII因子インヒビターの感受性も同様であり,Revは第VIII因子の低濃度域に対する感受性が高いことが示された。肝合成能低下検体の感受性は,Rev がTC に比べ凝固時間に有意な短縮を認めたが,健常人ボランティア35検体の平均値とのratio は同等であった。ループスアンチコアグラント ( Lupus Anticoagulant:以下,LA ) の感受性は,RevがTCに比べ有意に延長し,希釈ラッセル蛇毒時間 ( dilute Russellʼs Viper Venom Time:以下,dRVVT ) ratio との相関性も良好であり,LA に対する高い感受性を示した。未分画ヘパリンの反応性は,in vitro でRevがTCに比べ濃度依存性に著しく延長し, in vivo でもRevがTCに比べ延長傾向を示した。 in vivo は in vitro よりも乖離が小さかったが,未分画ヘパリン血中濃度が0.3U/mL を超えるとき,ratio はRevがTCに比べ約1.2倍高値を示した。直接経口抗凝固薬 ( Direct Oral Anticoagulants ) の反応性は,ダビガトラン服用検体で2試薬の凝固時間の相関性が良好であり,いずれの試薬とも濃度依存性に同等の延長傾向を示した。一方,直接第Xa因子阻害薬であるリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン服用検体は各血中濃度とAPTTに相関性を認めなかった。アルガトロバンの反応性は,RevがTCに比べ凝固時間,ratio ともに短縮傾向を示した。ナファモスタットメシル酸塩への反応性は,RevがTCに比べ凝固時間,ratio ともに延長傾向を示した。以上の結果より,Revは併行精度が高く,ロット間差が非常に小さいデータ管理に適した試薬であり,LAならびに低濃度の凝固因子低下 ( 特にVIII因子 ) を検出しやすいことが示唆された。しかし,TCと反応性が異なる薬剤があり,特に未分画ヘパリンは血中濃度が0.3U/mLを超えるとTCとの乖離が生じることに留意し,試薬の切り替えにあたっては自施設で試薬間のデータを比較し,事前に臨床側に周知を行うことが重要である。
Key Words
活性化部分トロンボプラスチン時間 ( APTT ), 合成リン脂質, エラグ酸, CN-6000
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