論文

FCM (フローサイトメトリー法) を用いた尿中有形成分分析装置による尿中細菌形態情報とグラム染色,培養同定結果との比較検討

医療関係者向けコンテンツとなります。

著者

矢島 尚子※1, 小澤 秀夫※2 ,3, 濱野 政弘※1, 小林 美紀※1, 森下 恵※1, 田中 政道※4, 小林 秀行※5,
沖本 二郎※1

  1. ※1川崎医科大学 総合医療センター 中央検査部
  2. ※2川崎医科大学 総合医療センター 泌尿器科
  3. ※3水島中央病院 泌尿器科
  4. ※4シスメックス株式会社 第二エンジニアリング本部
  5. ※5シスメックス株式会社 日本・東アジア地域本部 カスタマーサポート部

Summary

FCM (フローサイトメトリー法) を用いた尿中有形成分分析装置 (以下,FCM装置) は赤色半導体レーザーを用いたフロ-サイトメトリ-を原理とし,非遠心尿中の有形成分を分析する装置で,細菌計測の専用チャンネル( BACT チャンネル) の採用により細菌数の定量を可能にしている.今回我々はFCM 装置の細菌スキャッタグラムを自動解析し,細菌形態情報が表示されるプログラムを2012 年に共同開発し,2015 年にはグラム染色および細菌培養同定結果を比較検討した.

尿路感染症 ( Urinary Tract Infection: UTI ) と診断された患者の尿137 例 ( 男性16 例,女性121 例) を使用し,培養法をもとにFCM 装置およびグラム染色法の結果を比較検討した.FCM 装置と培養法の一致率は全数において78.8%で,グラム陰性菌に対する感度:87.8%,特異度:59.0%,グラム陽性菌に対する感度:56.4%, 特異度:91.8%であった.一方,グラム染色法と培養法の一致率は全数において73.7%で,グラム陰性菌に対する感度:83.7%,特異度:74.4%,グラム陽性菌に対する感度:48.7%,特異度:92.9%であった.FCM 装置のグラム陰性菌に対する感度は87.8%と良好な結果であったが,グラム陽性菌に対する感度は低かった.グラム染色に関しても同様な傾向であり,FCM 装置とグラム染色は同等の感度を有すると考えられた.FCM 装置の細菌形態情報から,受診当日にUTI の起炎菌がグラム陰性菌単独であるか,それ以外かを推測でき,UTI 症例の抗菌薬選択の目安になる可能性が示唆された.

Key Words

尿路感染症 ( UTI ),FCM ( フローサイトメトリー法) を用いた尿中有形成分分析装置,起炎菌,グラム染色

ご利用に際して

掲載している情報は公開した時点の内容となります。あらかじめご了承ください。詳しくは免責事項新規ウィンドウを開きますをご確認ください。