論文

アッセイスティック型インフルエンザ迅速診断キットの評価

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著者

高橋 和郎※1, 馬場 宏一※2, 浜本 芳彦※3, 岡本 健治※4, 谷村 政典※5, 奥野 良信※1

  1. ※1大阪府立公衆衛生研究所 感染症部
  2. ※2医療法人宏知会 ばば小児科
  3. ※3浜本小児科
  4. ※4岡本医院
  5. ※5谷村医院

Summary

スティック型のインフルエンザ迅速診断キット( ポクテムS インフルエンザ,以下ポクテムS ) について,基礎的にあるいは臨床検体を用いて性能を評価した. ポクテムSは比較に用いた従来型キットポクテムインフルエンザA/B ( 以下ポクテム ) に比べ,結果判定に必要な所要時間が15分から10分に短縮された. A,B型のワクチン株を用いたポクテムSの検出感度はポクテムや他の高感度な市販キットのそれと同等であった. また,ポクテムSはポクテムと同様に,すべてのHA亜型ウイルス( 27株 ) とB型ウイルス( 5株 ) に型特異的に反応し,これら以外の18種の呼吸器感染ウイルスや25種の細菌類とは交差反応性を認めなかった. インフルエンザ様症状を示した患者からの臨床検体を用いて,ポクテムを対照に結果の相関性を検討し,A,B型ともに両キット間に高い一致性を認めた. ウイルス分離との相関性の検討では,2種( 鼻腔吸引液,鼻腔拭い液 ) のいずれの臨床検体においても,A型,B型ともに90%を超える高い検出感度( 陽性一致率 ) を示した. 特異性( 陰性一致率 ) については,鼻腔吸引液でのA型,鼻腔拭い液でのB型では高い特異性を示したが,他の場合はやや低い特異性であった. この原因はポクテムSで陽性でありウイルス分離が陰性である例があるためであるが,その大部分はRT-PCR法ではウイルス遺伝子が陽性であったことから,これを考慮するとポクテムSは満足できる特異性を示すと考えられる. 次に,RT-PCR法との性能評価比較試験では,A型陽性一致率は85~90%とウイルス分離の場合に比べ予想通りやや低値を示したが,高い特異性を示した. 以上より,スティック型のポクテムSは現行のポクテムと同等の感度と特異性を有し,判定時間が10分とより短縮され,臨床領域でのインフルエンザの迅速診断法として有用であると考えられる.

Key Words

インフルエンザ, 迅速診断キット, イムノクロマトグラフィー, スティック型

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