ニュースリリース

OncoGuide™ NCCオンコパネル システム、進行胆道がんの治療薬に対するコンパニオン診断として一部変更申請を実施

~製薬企業とのパートナーシップでがんゲノム医療の発展に貢献~

シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒)は、2022年9月2日、遺伝子変異解析セット「OncoGuide NCC オンコパネル システム」(以下、「本システム」)に関して、FGFR2※1融合遺伝子を含む遺伝子再構成を有する進行胆道がんの患者さんに対するコンパニオン診断として、製造販売承認事項の一部変更申請を実施しました。

胆道がん※2は、国内では年間約2.6万人が発症※3し、5年相対生存率※4は30%以下※5と膵臓がんに次いで予後不良のがんとして知られています。また、現時点では、治療法の選択肢が少なく、一次治療で増悪した局所進行または転移性の胆道がんに対しては、標準治療が十分に確立されていないことから、がん細胞の生存や増殖に密接に関わるとされるFGFR2遺伝子再構成など特定の遺伝子異常を標的とした分子標的治療薬の開発が盛んに行われています。

シスメックスは、2018年にがんゲノムプロファイリング検査※6として日本で初めて本システムの製造販売承認を受け、いち早く医療機関へお届けするとともに、国内完結型のがんゲノム医療の推進に貢献してきました。またFGFR2融合遺伝子を含む遺伝子再構成を伴う局所進行または転移性の胆道がんに対するFGFR阻害剤フチバチニブ※7(一般名)の開発を進める大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 将之)とコンパニオン診断の実用化に向けた共同開発を進めてきました。

このたび、大鵬薬品が開発中であるフチバチニブの胆道がんの患者さんに対するコンパニオン診断として、本システムの製造販売承認事項の一部変更申請を実施しました。フチバチニブについては、2022 年7月28日、「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子を含む遺伝子再構成を伴う局所進行または転移性胆道癌」に対する治療薬として、大鵬薬品が製造販売承認申請を実施しています。これらの取り組みにより、将来的に、本システムを用いてフチバチニブの適応判定が可能となり、局所進行または転移性の胆道がんの患者さんへ新たな治療の選択肢を提供できることが期待されます。

シスメックスは、今後も患者さん一人ひとりに最適な治療の提案につながる、価値の高い検査・診断技術の早期実用化に取り組み、個別化医療の発展と進化に貢献していきます。

【参考】

【注釈】

  1. ※1FGFR2遺伝子:

    FGFR(fibroblast growth factor receptor)はFGFR1-4の4種類が同定されており、細胞の成長や増殖に関わる線維芽細胞増殖因子受容体と呼ばれるタンパク質である。FGFR遺伝子異常には、融合、変異、増幅等があり、これら遺伝子異常により機能が活性化されると、がん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性などに結び付くと考えられている。
    日本において胆道がんの一種である切除不能な胆管がんの患者を対象とした研究では、FGFR2遺伝子再構成の陽性率は、肝内胆管がんで7.4%、肝外胆管がん(肝門部領域胆管がん)で3.6%との報告がある。[出典:Maruki Y, et al. Molecular detection and clinicopathological characteristics of advanced/recurrent biliary tract carcinomas harboring the FGFR2 rearrangements: a prospective observational study (PRELUDE Study), J Gastorenterol. 2021 Mar;56(3): 250-260]

  2. ※2胆道がん

    胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん(肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんを含む)、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。

  3. ※3国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)、全国がん罹患データ(2016年~2018年)および「院内がん登録全国集計」、2020全国集計 結果詳細(腫瘍情報)を元に算出。
  4. ※45年相対生存率

    あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを表す指標。

  5. ※5国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」によると、2013-14年診断例における5年相対生存率は、肝内胆管がんで20.6%、胆のうがんで29.4%である。
  6. ※6がんゲノムプロファイリング検査:

    進行胆道がんを含む固形がんを解析対象とした腫瘍組織の包括的ながんゲノムプロファイルを取得することで、患者さんのがん固有の遺伝子異常を解析し、診断や効果が期待される抗がん剤の選定など治療方針の決定に有用な情報を提供する検査。

  7. ※7フチバチニブ(Futibatinib、開発コード:TAS-120):

    化学療法などの前治療歴がある胆道がん患者さんを含む、FGFR1-4遺伝子異常を持つ進行固形がんへの治療薬として、大鵬薬品が開発中の新規経口抗がん剤。胆管がんの治療薬として、2018 年 5 月に米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定、2021 年 4 月に前治療歴を有するFGFR2 融合遺伝子を含む遺伝子再構成を伴う局所進行または転移性胆管がんに対してブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定を受け、2022年3月には新薬承認申請を優先審査指定で米国FDAが受理している。

【シスメックスのマテリアリティ】

シスメックスは、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の1つに「製品・サービスを通じた医療課題解決」を特定し、臨床価値の高い製品の開発・供給に取り組んでいます。これまで培ってきた独自の技術やグローバルネットワークを活かして、今後も医療の発展とともに人々の健やかな暮らしへの貢献を目指した取り組みを進めてまいります。

以上

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