お知らせ製品

OncoGuide™ PlasmaSeq オンコパネル システムの製造販売承認を取得

シスメックス株式会社は、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いてがん関連遺伝子変異を解析するリキッドバイオプシー※1技術を活用した「OncoGuide™ PlasmaSeq オンコパネル システム」 について、2026年6月3日に医薬品医療機器等法に基づく製造販売承認を取得したことをお知らせします。
近年、大腸がん領域では、分子生物学的特性に基づく治療選択が標準化しつつあり、遺伝子変異解析のニーズが急速に拡大しています。特にリキッドバイオプシー技術は、低侵襲かつ迅速に必要とする情報を取得できることから、臨床現場における有用性が高く、早期の治療判断に寄与する手法として注目されています。
このような情勢を背景に、当社は国内で多数の導入実績を持つ OncoBEAM™ RAS CRC キット※2の後継品として、新たにBRAF遺伝子変異(V600E)※3の検出を搭載した遺伝子解析ソリューションである本製品を開発しました。独自のPlasma-Safe-SeqS 技術※4を採用することで、高感度な遺伝子変異の検出を実現し、臨床現場で求められる利便性と信頼性を両立しています。
本承認取得により、当社は個別化医療のさらなる発展に貢献していくとともに、国内の医療機関における遺伝子解析のアクセス向上に取り組んでまいります。

OncoGuide™ PlasmaSeq オンコパネル システムは、Plasma-Safe-SeqS 技術を基盤としたリキッドバイオプシーにより、RAS遺伝子変異※5およびBRAF遺伝子変異を対象とした解析を行うシステムです。

製品の特長

・一次治療から治療経過に応じた選択を一貫して支援
RAS遺伝子変異に加え、BRAF遺伝子変異の情報も同時に取得可能です。一次治療開始前から治療経過に応じた抗EGFR抗体薬の再投与(リチャレンジ)に至るまで、治療方針の判断に必要な遺伝子情報を迅速に提供することで、患者さん一人ひとりに適した治療方針の決定を支援します。

・血液検体を用いたリアルタイムな病勢評価
血液検体のみで評価可能なリキッドバイオプシーは、患者さんの身体的負担を軽減しつつ、治療方針の見直しが必要なタイミングで複数回の測定を行うことが可能です。遺伝子情報をタイムリーに捉え、柔軟かつ適切な治療選択に貢献します。

製品の概要

一般的名称体細胞遺伝子変異解析セット(抗悪性腫瘍薬適応判定用)
販売名OncoGuide™ PlasmaSeq オンコパネル システム
体外診断用医薬品製造販売承認番号

30800BZX00146000

使用目的

血漿から抽出したゲノムDNA中のRASKRAS及びNRAS)遺伝子変異の検出(セツキシマブ(遺伝子組換え)又はパニツムマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸癌患者への適応判定の補助) 

血漿から抽出したゲノムDNA中のBRAF遺伝子変異(V600E)の検出(大腸癌におけるリンチ症候群の診断の補助)(大腸癌における化学療法の選択の補助)(エンコラフェニブ及びセツキシマブ(遺伝子組換え)、又はエンコラフェニブ、ビニメチニブ及びセツキシマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸癌患者への適応判定の補助)

製造販売元シスメックス株式会社
対象市場日本

注釈

  • ※1 リキッドバイオプシー:
    腫瘍など組織の一部を採取して行っていた生体検査(Biopsy)と同等の性能でかつ患者さんに負担の少ない検査を血液検査で実現しようとするもの。がん組織由来の遺伝子を頻回検査することが可能となる。
  • ※2OncoBEAM™ RAS CRC キット:
    高感度 PCR 技術とフローサイトメトリー技術を融合させた遺伝子解析手法であり、直径数ミクロンの液滴に DNA 分子と磁性粒子を 1 個ずつ閉じ込め、その中で磁性粒子上に DNA 分子を増幅して検出する技術を BEAMing 技術という。また、大腸がん患者さんの血漿から抽出したゲノム DNA 中の RASKRAS 及び NRAS)遺伝子変異を検出するための BEAMing 技術を用いた試薬キットを OncoBEAM™ RAS CRC キット(体外診断用医薬品製造販売承認番号:30100EZX00010000 、承認日:2019 年 7 月 19 日、製造販売元:シスメックス株式会社)という。
  • ※3BRAF遺伝子変異(V600E):
    BRAF 遺伝子変異(V600E)を有する患者さんは、抗EGFR抗体薬による利益が得られにくい可能性があり、また BRAF 阻害薬併用療法の適応判定にも必要であるため、治療に先立ちそれらの遺伝子変異検査が行われる。
  • ※4Plasma-Safe-SeqS 技術:
    Johns Hopkins大学からライセンスを受けた、高感度に血中遺伝子変異を検出するNGSの前処理技術。解析対象の遺伝子 1 分子ごとに固有のタグを付与することで、真の遺伝子変異と、NGSのサンプル調製工程やシーケンス解析工程で生じるエラーとを識別する。NGSは低頻度ながら一定のエラーが発生するため、検出された遺伝子変異が真の遺伝子変異か NGS におけるエラーかの判別が課題となる。本技術は、この課題を解決する手段として期待されている。
  • ※5RAS 遺伝子変異:
    RAS 遺伝子(KRAS/NRAS 遺伝子)変異を有する患者さんは、抗 EGFR 抗体薬投与により利益(延命、腫瘍縮小)が得られない可能性が高いため、コンパニオン診断として、治療に先立ちそれらの遺伝子変異検査が行われる