社会

品質と信頼の追求

品質マネジメント

グループ品質マネジメント体制

 シスメックスでは、取締役社長の統括・管理の下、品質保証部門が中心となり品質マネジメントに取り組んでいます。
 具体的には、開発、製造、販売・サービスの各部門の責任者が出席する品質会議を毎月開催し、製品・サービスの品質・有効性および安全性のモニタリングと改善に向けた対策の検討を行っています。また、規制当局の査察、品質目標、マネジメントレビューからのアウトプット指示への対応などの審議を行う品質システム委員会を定期的に開催し、グループの品質マネジメントシステムの維持、改善に関する活動を推進しています。
 また、全ての最終製品の生産拠点で国際規格ISO 9001またはISO 13485の認証を取得しています。グループ全77社中では、ISO 9001は35社、ISO 13485は22社が認証を取得しています。
 2020年度の内部品質監査で11件の不適合が見つかり是正対応を進めています。外部品質監査での不適合はありませんでした。
 さらに2021年度からは、「リコール件数」と「FDA Warning Letter件数」をサステナビリティ目標のモニタリング指標として設定し、さらなる品質の強化に努めます。
  • 100%子会社

継続的な改善プログラム

品質を維持・向上するためのしくみを強化

 臨床検査で用いられるシスメックスの製品は、人々の生命と健康を守る上で極めて重要な役割を果たしています。そのため、製品の設計・開発段階において、世界各国の安全規格を満たすことはもちろん、さまざまなしくみを構築して、製品品質の維持・向上を図っています。
 製品の開発プロセスにおいては、市場に導入するまでに5つの「クオリティ・ゲート」を設けて品質を確認しています。また新規製品には設計・開発段階で、既存製品には設計変更時において品質・安全性に関するリスクアセスメントを実施し、リスクの高い事象に関してはリスク低減の対応を実施しています。また、シスメックスが販売する他社製品についても製造業者への監査や製品の検査を実施し、品質確保に努めています。このような取り組みに加えて、万一不具合などがあった際には、すぐにそれを把握し、対応できるような体制を整えています。
 製造現場においては、製造工程およびサプライヤーの不適合発生状況を毎月監視し、不適合率の高いサプライヤーに対しては品質改善を適宜指示するとともに、定期的に品質監査を実施することで品質を確保する体制を整えています。さらにグローバル品質苦情処理システムによって、グローバルかつタイムリーに市場から品質情報を収集し、不具合情報を入手した際は直ちに原因を究明し、不具合品の市場流出を防止しています。また発生した不具合に対し是正処置・予防処置が必要な場合には、グループ規程に則って速やかに計画立案し、処置やその後の妥当性・有効性確認までを実施しています。

第三者機関から認定された品質の高い製品・サービスの提供

 シスメックスでは客観的な信頼性を高めるため、製品の検査結果に関する品質保証体制を強化しています。
 シスメックス国際試薬においては、標準物質生産者の能力に関する国際規格ISO Guide34(現在のISO 17034)の認定を取得しています。この認定の取得は、適切な品質の標準物質を供給できる能力を証明するもので、血球計数検査分野では日本で初めての取得となりました。本認定の取得により、当社製品・サービスのデータ保証に関わる客観的信頼性が高まり、臨床検査機関のお客様は、適切な検査データを提供できる能力を持つことをグローバルに実証することができます。

従業員へのトレーニング

品質・安全に関わる教育に注力

 シスメックスでは、品質方針教育に加えて、品質マネジメントに関する関連部門への定期的な教育、特定の部門・職種を対象とした法規制に関する専門的な教育等を実施しています。2020年度は国内グループ会社の開発、製造、販売・サービス部門およびISO認証取得事業所全従業員約3,000名に対して品質教育を行いました。海外グループ会社についても、全ての最終製品の生産拠点とISO認証取得事業所において品質教育を実施しています。
 また、世界190以上の国や地域で製品・サービスを展開している企業として、開発部門の技術者に各国の法規制の教育を実施し、法規則に則った製品開発を徹底しています。
  • 100%子会社 

品質・安全性に関する情報

お客様からの情報をグループ内で共有

 シスメックスは、製品の品質と安全性に関する情報を管理する信頼性保証部を設置して外部から寄せられる情報を調査・分析して設計・製造など各部門と共有し、品質改善だけでなく、次代を担う新製品の開発に活かす体制を整えています。

ウェブサイトで回収・改修の情報を開示

 シスメックスでは、製品の回収・改修などの情報を当社ウェブサイト内「製品に関する重要なお知らせ」で開示しています。

模倣試薬の積極的な取り締まり

 シスメックスは、正確な検査結果を保証するために、医療機関のお客様には純正の機器と試薬のセットでご使用いただくようお願いしています。近年、一部の地域でシスメックス製試薬の名称や容器の形状を模倣した試薬の流通が発見されています。模倣試薬を使用した場合、検査結果の信頼性が保証できず、場合によっては患者さんに健康被害をもたらす危険性があります。このため、模倣試薬の市場流通状況を継続的に監視しており、模倣試薬を発見した場合は、知的財産権を用いて現地の行政機関や司法機関を通じて迅速かつ徹底的な取り締まりを実施しています。また、現地の新聞に広告を掲載し、医療機関が模倣試薬を使用しないよう注意喚起しています。 

お客様満足度の向上

国内外でお客様満足度調査を実施

 シスメックスでは米州、EMEA、アジア・パシフィックの主要国に加え、中国や日本など、さまざまな国や地域でお客様の満足度調査を実施しています。展開している製品やサービスの内容に応じて、それぞれの国や地域で独自の指標を用いています。
 シスメックス アメリカは、血球分析装置メーカーを対象としたお客様満足度調査「IMV ServiceTrak」(IMV社主催)で14年連続No.1を獲得しています。また、患者さんや地域コミュニティに貢献したヘルスケア関連事業者に贈られる「GHXcellence Award 2020」を北米市場のトップパフォーマーとして受賞しました。
 その他EMEAやアジア・パシフィックでも定期的にお客様満足度調査を行っており、高い満足度を得られているという調査結果が出ています。 
  • 欧州・中東・アフリカ地域

お客様の声を製品・サービスに活かす取り組み

 お客様からいただいたご要望は、VOC(Voice of Customer:お客様の声)チームが集約し、さまざまな角度から分析した後、関係部門へフィードバックされ、新たな製品開発や業務改善に活用されています。2020年度には、国内市場から約18,000件のお客様の声を収集しました。お客様の声から生まれた新たな機能や装備を搭載した装置は、製品カタログにVOCマークを記載しており、高い評価をいただいています。 

満足度の高いユーザートレーニングの提供

 シスメックスでは、お客様サポートの一環として、機器およびメンテナンスのトレーニングを各地域で実施しています。
 広大なエリアに医療機関が点在するシスメックス アメリカでは、お客様がシスメックスの研修施設に出向くことなく必要に応じてトレーニングを受けられるオンライントレーニング「Center for learning」をアメリカ、カナダ、ラテンアメリカの各地域で提供しています。2020年度には、これまでのトレーニングシステムに対するお客様の声を反映し、カスタマイズやアクセスのしやすさなどのシステムの改善を行い、約3,000名のユーザー満足度調査では90%以上のユーザーから満足しているまたは非常に満足していると回答を得ました。またこのシステム改善では、シスメックス ヨーロッパのオンラインプログラム開発チームとも連携し、シスメックスヨーロッパが運用する「Sysmex Academy Online」の優れている点を取り入れるとともに、同サイトのコンテンツ共有も可能としました。
 このような取り組みから、「Center for learning」とその開発チームは、ブランドンホールグループの「Best Customer Training Program」と「Best Learning Team」のカテゴリーでゴールド賞を、さらにライフサイエンストレーナーズ&エデュケーションネットワークの「The Annual LTEN Excellence Awards」を受賞しました。
  • 「Center for learning」を用いたバーチャルトレーニング
    「Center for learning」を用いたバーチャルトレーニング

役立つ情報の発信

ウェブサイト「サポートインフォメーション」
ウェブサイト「サポートインフォメーション」
 シスメックスでは、当社ウェブサイト「サポートインフォメーション」で、お客様に役立つ情報の発信を行っています。
 最新情報をお伝えするメールマガジン配信サービス、コンテンツや閲覧履歴などを管理できるマイページ機能など、お客様によりご活用いただけるよう、継続的に機能の充実を図っています。 

サービス&サポートの充実

お問い合わせに、迅速・確実にお応えするために

 シスメックスでは、各地域にカスタマーサポートセンターを設けてお問い合わせに迅速・確実にお応えする体制を整えるとともに、お客様のご要望にいち早く応えるしくみの構築に努めています。
 日本では、お客様相談窓口「カスタマーサポートセンター」を設置し、豊富な知識を持った専任スタッフが、24時間365日体制(別途契約が必要)でお問い合わせに対応しています。同センターでは、過去のお問い合わせ内容やメンテナンス履歴などを蓄積し、すぐに参照できるようにすることで、お客様からのお問い合わせ・ご要望に迅速・確実にお応えしています。

ITを活用したソリューションの提供

 シスメックスでは、オンラインでさまざまなサービス&サポートを提供するネットワークソリューション「Caresphere」を提供しています。「Caresphere」では、病院などの検査装置の精度管理や自動監視、リアルタイム解析をもとにした故障予測などを行うことで装置の安定稼働を支援します。また、検査業務の効率化と品質管理を支援するアプリケーション・サービスの提供も行っています。

  • 検査装置の測定値を保証するための管理手法。お客様の検査装置が正しく機能しているかを確認すること。 

臨床検査の質的向上へISOを活用

 近年、臨床検査分野において検査結果の質の向上が強く求められており、世界的に国際規格への関心が高まっています。その一つとして、ISO 15189(臨床検査室の品質と能力に関する要求事項)の認定を取得する臨床検査室も増加しており、すでに認定取得が義務化されている国もあります。
 シスメックス株式会社は、臨床検査の校正機関に対する国際規格ISO/IEC 17025およびISO 15195の認定を取得しており、当社が提供している自動血球分析装置に対する校正サービスの品質は、国際的な基準で担保できていることが証明されています。また、この分野での認定取得は国内では初となります。
 お客様はISO 15189が要求する校正を実施していることを証明するために、当社が発行する校正証明書をグローバルに認められた認証書として利用することができます。2020年度末時点で、延べ7,200台以上の装置に対して校正証明書を発行しました。また、外部精度管理サービスであるCaresphere XQCは全産業分野で国内初となるISO/IEC 17043(適合性評価-技能試験に対する一般要求事項)の認定を取得しています。 

学術活動

 シスメックスでは、世界のさまざまな国と地域で最新の臨床検査情報を提供する学術セミナーを開催しています。また、アジアにおいては各国の保健省などの国家機関や主要学会とともに、臨床検査の品質向上を支援するための学術活動を展開しています。

医療従事者向けの学術セミナーを開催

 シスメックスでは、医学研究における幅広い領域からテーマを取り上げ、その最新情報の提供と研究から得られた知見を共有する場として1978年より毎年シスメックス学術セミナーを開催しています。2020年度は43回目の年になりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、開催を延期しました。
 このような状況下、シスメックスでは感染が拡大する環境においてより適した検査体制の構築を目指し、臨床現場における世界の最新情報をお届けすることを目的にSysmex Global Webinar for COVID-19を開催しました。日本をはじめ各国の著名な先生方にそれぞれの地域における新型コロナウイルスの感染状況、そして新たな知見などについてご講演いただきました。本セミナーはEMEA、アメリカ、アジアにおいても同様に開催され、延べ約1,800名の医療従事者の方々にご参加いただきました。
 その他のテーマにおいてもオンラインでのセミナーを開催し、延べ約2,000名の医療従事者の方々にご参加いただきました。
 このような取り組みを継続することで、医療従事者との信頼関係を構築するとともに、医療の質の向上に貢献していきます。
  • Sysmex Global Webinar for COVID-19
    Sysmex Global Webinar for COVID-19
  • EMEA Sysmex Virtual Expo 3D booth
    EMEA Sysmex Virtual Expo 3D booth