現代の医学や医療において、欠かすことのできない薬剤の一つである「抗菌薬」。しかし、抗菌薬の消費拡大に伴い発生する「薬剤耐性(AMR)」が世界中で大きな問題となっています。これに対し、シスメックスはヘルスケアに携わる企業として、AMR対策の重要性を認識し、持続可能な社会の実現に向けて、検査・診断価値の創出や学術的な啓発活動などを展開しています。その一環として、より多くの人々にAMRに関する正しい知識を持っていただくための情報発信にも取り組んでいます。
抗菌薬は、感染症の治療や予防を目的としてさまざまな場面で使用されています。しかし一方で、抗菌薬が不要なケースでの処方や原因菌に効果のない抗菌薬の処方など、不適切な処方が行われているという現実があります。2019年には、米国において抗菌薬使用の実に43%が不適切であったとの報告があり※2、抗菌薬の適正使用がより一層強く求められています。
抗菌薬の適正使用のために必要なのが、医療現場での迅速なスクリーニング検査です。患者さんが感染している細菌の種類や薬剤耐性の有無を調べることで、効果的な抗菌薬の投与が可能となります。また、ウイルスによる感染症には抗菌薬が効かないため、患者さんの症状がウイルスによるものか、細菌によるものなのかを見極めることも必要です。
AMRに対するシスメックスの取り組みは、製品の提供・普及だけにとどまりません。臨床検査に携わるメーカーの責務として、そして「すべての⼈に健康と福祉を(目標3)」を中心としたSDGs達成への貢献に向けて、シスメックスはAMRに関する啓発活動「#AMRfighter」をグローバルに展開したり、学術冊子を広く提供したりと、さまざまな取り組みに注力しています。
AMRの発生・拡大を防ぎ、世界中の人々が健やかな毎日を過ごせるために。シスメックスは、これからもAMRへの取り組みを継続していきます。