環境

製品ライフサイクルにおける環境配慮

製品ライフサイクルと各段階での取り組み

 シスメックスでは、製品ライフサイクル全体での環境負荷を低減するよう、あらゆる事業活動の段階で、さまざまな取り組みを実施しています。 

環境に配慮した製品・サービス

製品設計における環境配慮

 シスメックスでは、お客様が製品を使用される際のエネルギーや廃棄物の削減に貢献するため、製品ライフサイクルマネジメントに関するグローバル規程では、製品ライフサイク ルの各段階において、経営上適切と考えられる環境配慮の取り組みを盛り込み、検体検査装置の省電力化、試薬使用量の削減などに配慮した製品開発に取り組んでいます。
 2021年に発売された多項目自動血球計数装置(小型)では、従来装置より重量を30%、消費電力を25%、試薬消費量を約30%削減し、環境配慮設計を実現しました。

2020年度の実績

 新製品の発売などもあり、消費電力の多い大型の血液分析装置の販売設置台数が増加しましたが、CO2排出係数が低下したため、機器製品の使用時における1台あたりのCO2排出量はシスメックス・エコビジョン2025の基準年度である2016年度より8%削減しました。機器製品の使用時における水消費量は、試薬消費量の少ない製品の販売増加により6%削減しました。
 今後も、消費電力および水消費量削減を実現する新製品の開発・販売等により、CO2排出量と水消費量の削減を推進していきます。 

原料物質の生産における生物多様性への配慮

カイコを利用した原料生産
 シスメックスでは、天然資源の使用抑制を目指して、診断薬における動物由来原料のタンパク質に関して、遺伝子組み換えをしたカイコによる生産手法を確立しました。従来、これらの原料の生産には多くのエネルギーを消費していましたが、遺伝子組み換えをしたカイコは一般室内飼育が可能であり、容器内で人工餌を与えるだけでよいため、安定供給が図れるとともに、省エネルギーや廃棄物削減も期待できます。
 2017年度に発売を開始した血液凝固検査の試薬の原料にも、カイコから生産したタンパク質を用いています。これは、国内で初めて製造販売承認を取得しています。また、この技術を用いた受託生産も行っており、製薬企業、大学、研究 機関等に原料物質を提供しています。

調達における環境配慮(グリーン調達)

取引先と協力して環境に配慮した調達を推進

 シスメックスは、調達活動における環境配慮への基本的な考え方として、「グリーン調達基準」を制定し、環境負荷が少ない原材料・部品の調達推進と、環境保全に意欲的なサプライヤーとの取引を拡大しています。また、毎年各取引先に対して実施しているCSR調査では、環境管理に対する方針、CO2削減や省エネルギーに関する目標、計画の有無などを確認しています。
 また、グリーン調達基準に基づき、生産および販売する製品を構成する部品、デバイス、材料などに含有される化学物質(環境負荷物質)への対応について、禁止物質、削減物質等を明確にしています。

物流における環境配慮

製品の国内・域間物流のCO2排出量削減活動

 グローバルに事業拡大を続けているシスメックスは、物流の多様化に対応した物流プロセス・体制および梱包材料や在庫管理の見直しによるCO2排出量の削減を進めています。

2020年度の実績

 航空輸送から海上輸送への切替をさらに積極的に推し進め、出荷物流におけるCO2排出量をシスメックス・エコビジョン2025の基準年度である2016年度より25%削減し、昨年度に引き続き2025年度目標である15%削減を前倒しで達成しました。今後はより環境負荷の少ない輸送手段として、鉄道利用などのモーダルシフトを進めてまいります。

ドライアイスの使用が少ない超低温輸送を実現

 シスメックスは、ヤマトロジスティクス株式会社と共同で、 ドライアイスの使用量を削減した超低温輸送を実現しました。 遺伝子検査用試薬の輸送では、高度な品質管理を担保するために物量を問わず専用便での輸送とドライアイスの使用が必須で、環境への負荷が発生していました。そこでヤマトロジスティクスと共同で実証実験を行い、専用輸送箱を用いることで、冷凍輸送(マイナス20度以下)ではドライアイスレスに、超低温帯輸送(マイナス65度以下)ではドライアイス の使用量を半減することができました。また、通常輸送との混載ができるようになるため、専用便によるCO2排出量の減にもつながります。 今後はさらに、超低温帯においてもドライアイスを使用しない長時間輸送の実現に向け、実証実験を共同で行います。

  • 2021年4月よりヤマト運輸株式会社へ統合

物流梱包時の環境配慮

 シスメックスでは、日本からの輸出が拡大しているバイオ 診断薬について、輸送に必要なプラスチック製蓄冷剤の国際リユースを開始し、蓄冷剤の廃棄削減を図っています。2020年度は、日本と中国、シンガポール、欧州の間でリユースを行い、約2.0tの廃棄削減につながりました。 また、シスメックス国際試薬では、サプライヤーと連携して資材輸送梱包材を段ボールから通い箱(プラスチック製コンテナ)への切り替えを推進しており、全梱包材の20%まで切り替えることができました。

梱包資材の見直しによる省資源化

 シスメックスでは、省資源のための梱包材改革に継続的に取り組んでいます。梱包箱のサイズ最適化によるダウンサイジングや、梱包方法を袋状緩衝材からフィルム梱包へ変更するなどにより、2020年度の石油由来の緩衝材の使用量 は、2017年度から約50%削減することができました。

在庫管理などの見直し強化による省資源化

 シスメックスでは、全社的なサプライチェーンの見直し強化を推進し、製品の廃棄削減活動に取り組み、2020年度の売上高に占める製品廃棄額の割合を2018年度から約10%改善しました。また機器生産工場のアイ スクエアでは、専用コンテナを高密度に収納し、ロボットがコンテナの出し入れを行う自動倉庫型ピッキングシステム「AutoStore」を導入するなど、効率化を図っています。
 また海外のグループ会社でも、物流におけるさまざまな施策に取り組んでいます。 

グループ各社での取り組み

会社名 取り組み内容
シスメックス国際試薬 ・サプライヤーとの連携による輸送梱包箱の削減(2.2万箱)
シスメックスリージェンツ・アメリカ ・装置廃棄コンテナを6倍の大きさに変更し、輸送頻度を削減
・原材料輸送用箱を再利用可能なコンテナに変更
EMEA地域 ・出荷/輸送の統合や組み合わせを検討し、輸送頻度を削減
・試薬容器にリサイクル可能な植物性繊維を使用
・保冷用発砲スチロール箱の代替品検討(羊毛断熱等)
・発泡スチロール緩衝材をペーパースクラップに切り替え
・パッケージ、緩衝材の再利用
・電気フォークリフトの使用
シスメックスマレーシア ・製品輸送時に、再利用可能な断熱パネルを使用
・保守部品輸送時のパッケージの再利用
シスメックス オーストラリア ・製品輸送時に、再利用可能な断熱コンテナを使用


製品の使用・廃棄における環境配慮

濃縮試薬の使用

 ヘマトロジー分野の一部測定装置では、従来試薬を25倍に濃縮した試薬が利用できます。この濃縮試薬は、検査室での試薬の交換頻度の低減や在庫保管の省スペース化などユーザビリティの向上に大きく貢献していることに加え、容器・梱包材の廃棄物削減、輸送時のCO2削減など環境への配慮も実現しています。また2021年度より、濃縮試薬の普及率と試薬生産現地移管率をサステナビリティ目標として設定し、さらなる環境負荷低減に貢献していきます。