環境

環境マネジメント

シスメックス・エコビジョン2025

「シスメックス・エコビジョン2025」の制定

  シスメックスでは2018年5月、「シスメックスグループ長期経営目標」の策定にあわせて、「シスメックス・エコビジョン2025」を 制定しました。これは、シスメックスが2025年に向けて目指す長期環境ビジョンであり、これまで以上に、開発・生産・販売・サー ビス&サポートなどの製品・サービスのライフサイクルおよび事業活動のバリューチェーン全体の環境保全を推進するものです。

長期環境ビジョン

 製品・サービスのライフサイクルおよび事業活動のバリューチェーンにおける、2025年度までの環境目標を設定し、地球環境の 保全に取り組みます。

1. CO2排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献します。
2. 資源消費の削減と資源循環を推進し、地球資源の持続可能性向上に貢献します。
3. 事業活動と自然環境のつながりを認識し、生物多様性の保全に貢献します。
※ 基準年度を2016年度とする原単位目標

TCFD提言への対応

 近年、気候変動が与える影響は、金融市場において大きなリスクとなってきています。2015年12月に金融システムの安定化を図る国際組織、金融安定理事会が「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」を立ち上げ、2017年6月には気候関連の「リスク」と「機会」が企業の財務に及ぼす影響を開示するよう、最終提言を行っています。
 2021年1月、シスメックスはTCFDの提言に賛同し、そのフレームワークに基づき、以下の情報について整理を行いました。
 
2. リスクマネジメント
 環境マネジメントシステムの中で事業活動が環境に与える影響を、「法令遵守」と「環境への影響」の2つの観点から毎年評価しています。また、気候変動に関してTCFDの提言を踏まえ、気候関連のリスクと機会のアセスメントを行い、環境管理委員会および代表取締役が議長を務める経営会議で議論しました。これらを通じて、リスクの低減および事業機会の創出に取り組んでいます。 また、リスクマネジメント体制の中で、環境や気候変動以外のリスクも含め包括的なリスクアセスメントを2年に1回実施して います。
▶リスクマネジメント体制
3. リスクと機会
 TCFD提言のフレームワークに基づき、代表取締役が議長を務める経営会議で気候変動がもたらすリスクと機会を特定しています。2020年12月には、内容の見直しを実施しました。
リスク シナリオ 財務影響 取り組み
2℃ 4℃
移行リスク ・法規制の変化により、特定の物質や技術の使用が禁止され、製品供給が困難または高額な代替品が必要となる H L ・各地域の統括拠点を中心に品質保証・薬事部門を設置 し、専任スタッフが各国の法規制に対応
・プラスチックの使用量削減を含めた環境負荷の低い素材や技術への移行に伴い研究開発コストや設備投資が増加する M L ・病院検査室の要求や市場・業界動向を踏まえた製品・ 技術開発
・エネルギーコストや原材料コストが増大する M L ・省エネルギー対策、設備の効率化
・再生可能エネルギーの導入
・顧客の環境意識の変化により、当社製品の環境負荷に対して批判が生じ需要が低下する L L ・客の声を製品開発や品質改善に活用するしくみ (VOC:Voice of Customer)の構築
物理的リスク 大規模な自然災害により製品やサービスの安定的な供給が困難になる M H ・事業継続計画(BCP)を策定し、原材料の調達先や供給体制、輸送ルートなどリスクの分散化を実施
干ばつに伴う地域的な水不足により製品の安定的な供給が困難になる L M ・水リスクを定期的に監視するとともに、事業継続計画 (BCP)を策定し、リスクを低減


機会 シナリオ 財務影響 取り組み
2℃ 4℃
資源の効率 ・より効率的な輸送手段の利用やIoT活用によりオペレー ションが最適化される
・梱包や製品設計の見直しにより、原材料コストや廃棄物量が低下する
M L ・物流の多様化に対応した物流プロセス・体制の見直しやリモートサービスによるCO2削減の推進
・梱包の資材や形態の見直しによる省資源化
エネルギー源 ・省エネルギー化によるエネルギーコストの削減や低炭素エネルギーへのシフトによる社会的評価が向上する M L ・省エネルギー対策、設備の効率化
・再生可能エネルギーの導入
製品およびサービス ・顧客の購入意識の変化により、環境配慮製品の購入が促進される
・長期的な疾患動向の変化により新たな検査機会が創出され、検査需要が拡大する
M M ・環境に配慮した製品開発
・マラリアなどの感染症対策に寄与する製品開発
市場 ・気候変動への取り組みと情報開示により金融市場で評価・期待が高まる M L ・TCFD対応をはじめ、シスメックスサステナビリティデータブック等による環境に関する情報開示
レジリエンス(回復力) ・自然災害発生時における製品・サービスの安定供給により、顧客からの信頼が向上する L H ・グローバルな供給体制、原材料の複数調達によるバックアップ体制の構築
  • シスメックスグループの全事業(サプライチェーン含む)を対象として、気候変動に対してより厳しい対策をとる2℃シナリオ、現状を上回る温暖化対策をとらない4℃シナリオについて分析。特定したリスクと機会が及ぼす財務影響は、2030年度の営業利益に与える影響を基準として3段階(H:High, M:Middle, L:Low) で評価した。 

環境マネジメントシステム

グループ環境マネジメント体制

 シスメックスは、グループ各社の責任と役割を明確化した 「グローバル環境マネジメント規程」を制定し、取締役社長により任命された環境マネジメントオフィサー(上席執行役員)の統括・管理の下、環境管理委員会を中心にグループで環境マネジメントに取り組んでいます。環境目標はグループ経営計画の一部に統合し、サステナビリティ目標として進捗状況を半期ごとに取締役会に報告しています。

ISO 14001認証の取得を推進

 シスメックスでは、グループの主要な関係会社において環境マネジメントシステムの国際規格ISO 14001の取得を進めています。 2021年3月末現在、グループ17社で認証を取得し、認証取得拠点の売上比率は67%となっています。また、一部では活動の進捗状況や問題点をグループとして把握しマネジメント活動を強化していくために環境活動を一元化し、シスメックス株式会社、シスメックス国際試薬、シスメックスRA、シスメックスメディカの4社9拠点で、統合認証を取得しています。この結果、環境経営に関わる情報を体系的に共有することが可能となりました。

ISO 14001 認証取得状況

地域 会社名
日本 シスメックス株式会社、シスメックス国際試薬、シスメックスメディカ、
シスメックスRA
米州 シスメックスアメリカ、シスメックスリージェンツ・アメリカ、
シスメックスブラジル
EMEA シスメックスヨーロッパ、シスメックスドイツ、シスメックスフランス、
シスメックス スペイン
中国 シスメックス 無錫、済南シスメックス
AP シスメックスアジア・パシフィック、シスメックス インディア、
シスメックス ニュージーランド、シスメックス オーストラリア

環境監査の実施

 ISO 14001認証を取得している各拠点では、環境マネジメントシステムの要求事項に従って、「内部環境監査」および「外部環境審査」を定期的に実施しています。2020年度は、認証統合している国内グループ拠点の内部環境監査、外部環境審査のいずれも不適合は0件でした。

環境教育

環境教育・訓練の実施

 シスメックスでは、グループの環境活動やそれぞれの業務がどのように環境に影響を及ぼすかを周知するための全従業員向け 一般教育と、各部門に設定した環境マネジメントシステム推進責任者および推進担当者に対する実務知識習得のための専門教育を実施しています。さらに、各部門で必要に応じて専門教育や緊急事態訓練なども行っています。
 2020年度は、ISO統合認証の適合事業所に所属する全従業員と、海外拠点の環境担当者向けにeラーニングによる環境一般教育を行いました。また、事業所担当者および製品ライフサイクル部門の担当者向けの法規制セミナーを実施しました。