財務情報
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが判断したものです。
新型コロナウイルス感染症の拡大による各国の医療環境を含む社会情勢は刻々と変化しており、今後も引き続き不確実な状況が続くと想定されます。当社グループの生産・販売等の活動は各種感染予防対策の実施やオンラインでのコミュニケーションの活用等により支障なく継続していますが、特に物流網や原材料調達等においては未だ混乱が見られ、状況が長期にわたって改善しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、確実な事業継続のために対策チームを設置しており、今後も製品の安定供給、顧客へのサービス活動の継続、従業員の安全確保等に努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染症の診断で使用される検査試薬等、新たな需要に応えるべく、製品の開発・販売を行っています。
当社グループは海外関係会社及び代理店を経由して海外へ販売を行っており、連結売上高に占める海外売上高の比率は、2021年3月期84.0%、2022年3月期84.7%と高い水準で推移しております。海外関係会社の現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時の為替レート変動の影響を受けています。当社グループの外貨建て資産及び負債の決済及び期末時評価額については、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じていますが、予測を上回る為替変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
急速な少子高齢化、医療技術の進歩、患者の医療の質に対する要望の高まり等、医療を取り巻く環境変化を背景に、医療費を適正化し質の高い医療サービスを効率的に提供するための医療制度改革が継続して進められています。また、コロナ禍を機に医療インフラの比較的脆弱な国においても検査・医療の重要性が再認識され、医療制度改革が加速されると共に新たなニーズが生まれることが想定されます。当社グループの経営成績及び財政状態は、このような医療制度改革の影響を受ける可能性があります。このため、当社グループのネットワークを活用して様々な環境変化の中から的確に機会を捉えた上、今後も個別化医療に資する診断技術創出等のライフサイエンスの事業化を進める一方、検体検査機器、検体検査試薬、IT、サービス&サポートを合わせたトータルソリューションを提供し、多様化するニーズにきめ細かく対応できるよう努めてまいります。
また、当社の機器・試薬の大部分は各国の薬事承認や登録が必要ですが、各国において規制見直しの動きが加速しており、薬事承認取得に関する要求事項が複雑・高度化する一方、規制緩和に向けた動きも見受けられます。このような変化に迅速かつ的確に対応することができず、取得済みの薬事承認の維持や新製品の薬事承認取得が遅延した場合等には、市場獲得機会の損失や対応コストが増加する可能性があると共に、お客様に製品をタイムリーにお届けすることができなくなる可能性があります。
そのため、各国業界団体への参画等を通じて法規制に関する最新情報の把握に努めると共に、当社のネットワークを活用したグローバルな薬事承認取得体制により、薬事承認の適時的確な取得・維持に取り組んでいます。
当社グループは、特許、商標、意匠等をグローバルに出願しておりますが、一部または全ての国で権利が付与されない可能性があります。また、当社グループの保有する知的財産権が無断使用された場合に、その無断使用を防ぐために講じる手段が十分には成功しない可能性があります。一方、第三者の知的財産権に関して、当社グループに正当性があるか否かに関わらず、訴訟を提起される、ロイヤルティの支払いを要求される等の知的財産紛争が起こる可能性があります。
当社グループでは、グローバルコンプライアンスコード及び従業員への知的財産教育を通じて、当社グループ及び第三者の知的財産権を尊重しながら事業活動を推進するよう努めています。また、社規定にて知的財産レビューシステムを導入し、研究開発・事業に即した知的財産権の獲得を進めると共に、第三者の知的財産権に関する知財紛争の可能性を低下させるよう、取り組んでいます。
当社グループが提供する検体検査機器製品および診断薬製品等には高い信頼性が要求されるため、万全の品質管理体制の下、製品の品質保証に取り組んでいます。しかしながら、万が一製品に品質問題が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、各国の法令・国際規格等に準拠する品質を維持するための仕組みの整備・運用はもとより、国内外の市場および社内からの信頼性や安全性に関する情報を調査・分析し、設計品質の向上につながる技術情報の蓄積、新製品の量産開始・市場導入前の品質チェックに生かすことによって、品質保証の強化に取り組んでいます。