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ガーナ共和国への臨床検査品質管理を支援するネットワークソリューションCaresphere™活用の調査事業が経産省公募事業に採択

~アフリカ諸国の臨床検査の品質向上に向けてDX活用の可能性調査を開始~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)は、経済産業省の公募「アフリカ等市場活力取り込み事業実施可能性調査事業(AfDX)」に、医療機関の臨床検査室におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)として、ネットワークソリューションであるCaresphere™を活用した検査室の運営と品質管理を支援するアプリケーションのガーナ共和国(以下、「ガーナ」)での調査事業が採択されたことをお知らせします。

 一人ひとりに最適な医療の実現においては、予防・診断・治療・モニタリングの各ステージで根拠となる信頼性の高い臨床検査データが不可欠です。そのため、医療機関の臨床検査室においては、検査結果の品質保証、検査の適切なワークフローが求められており、検査品質の国際規格ISO15189取得のニーズがグローバルで高まっています。
 ISO15189では、臨床検査室の品質と能力に関する要求事項として、検査結果を他の医療機関と比較する外部精度管理※1の実施により、検査室の検査精度の高さを客観的に評価することが要求されています。
 一方で、医療環境や医療制度等、保健システムの未整備により、適切な医療を受けることが困難なアフリカ諸国を含む多くの新興国・開発途上国では、精度管理※2手法の認知啓発や技術の普及が課題となっています。

 シスメックスは、2014年に校正機関と外部精度管理提供者に対する国際規格ISO/IEC 17025、ISO/IEC 17043の認定を取得しており、当社が提供する校正サービス※3および外部精度管理サービスに関する品質が国際的に認められています。加えて、ネットワークソリューション「Caresphere」を用いることにより、IoT やクラウドを活用して、検査装置や臨床検査情報システム等で管理しているさまざまな情報をリアルタイムに連携・解析する、シームレスかつ安全でグローバルに標準化されたプラットフォームの構築が実現可能です。
 
 このたび、経済産業省「アフリカ等市場活力取り込み事業実施可能性調査事業(AfDX)」に採択された事業は、シスメックスがグローバルに展開するネットワークソリューションCaresphereを活用し、ガーナの医療機関に外部精度管理をリアルタイムに実施できるアプリケーションCaresphere XQCを試行的に導入し、フィードバックを得ることで、現地特有のニーズやサービス普及に向けた課題を調査するものです。本事業を通じて得られるフィードバックからアフリカ地域の特性に応じた新たなソリューションの開発につなげ、他のCaresphereアプリケーションの導入の足掛かりとすることで、製品・サービスのイノベーションを通じた医療課題解決を目指してまいります。さらに、シスメックスが過去から継続的に実施してきたアジア諸国での外部精度管理の普及支援のノウハウと本事業における官民連携のスキームを活用し、同国の保健省や医療機関への外部精度管理への理解促進や運用トレーニングの提供等を通じた人材育成を図り、現地の医療水準向上への貢献を目指します。
 
 今後もシスメックスは、医療の標準化および質向上に寄与することで、開発途上国を含めた世界中のお客様に安心をお届けし、ヘルスケアの旅路「ヘルスケアジャーニー※4」がより良いものになるよう、一人ひとりに最適な医療を支える価値の高い検査・診断技術の創出に取り組んでまいります。
 
【経済産業省 実施可能性調査事業の概要】
  経済産業省「アフリカ等市場活力取り込み事業実施可能性調査事業(AfDX)」は、アフリカ市場への進出を目指す企業に対して、デジタル等イノベーティブな手段によるアフリカの社会課題解決や持続可能な成長に取り組む事業の創出に向け、ビジネスモデル検証・現地動向・ニーズ等の調査を支援するものです。本事業では、企業による現地でのフィージビリティスタディの実施を通して、日本とアフリカの民間連携の拡大を目指します。
 
 
【参考】
 
2014年3月18日リリース『校正機関と外部精度管理に対する国際規格ISO/IEC 17025、ISO/IEC 17043の認定を取得』
 
  2018年4月5日リリース『新たなネットワークソリューション「Caresphere™」の提供を開始』
https://www.sysmex.co.jp/news/2018/180405.html
 
  2018年4月26日リリース『ガーナ共和国への尿検査自動化技術普及促進事業がJICA公募事業に採択』
https://www.sysmex.co.jp/news/2018/180426.html
 
  2020年9月29日サステナビリティトピックス『ガーナ共和国における尿検査自動化技術普及促進事業を通じて「JICA-SDGsパートナー」に認定されました』
https://www.sysmex.co.jp/csr/news/2020/20200929.html
 
  2021年3月31日ストーリー『世界各国における医療アクセス改善と人材育成の取り組み』
https://www.sysmex.co.jp/stories/210331_03.html
 
  2021年10月4日リリース『外部精度管理アプリケーション Caresphere™ XQCを提供開始』
https://www.sysmex.co.jp/news/2021/pdf/211004.pdf
 
  2022年5月27日リリース『味の素ファンデーション、シスメックス、NEC、ガーナ共和国の母子の保健と栄養の改善を目指し、異業種の共創プロジェクトを開始』
https://www.sysmex.co.jp/news/2022/pdf/220527.pdf
 
 

  【注釈】
  ※1 外部精度管理:
    多数の医療機関に同一の精度管理用試料を配付し、回収された測定結果を統計的手法により解析し、評価する精度管理の手法のこと。評価結果は医療機関へフィードバックされ、検査室の質向上に役立てられます。
 
  ※2 精度管理:
    検査装置の測定値を保証するための管理手法。お客様の検査装置が正しく機能しているかを確認すること。
 
  ※3 校正サービス:
    基準測定検査室の基準器とお客様の血球計測装置の測定値を比較し、その測定値の精確さを証明する「校正証明書」を発行するサービスのこと。
 
  ※4 「ヘルスケアジャーニー」とは、シスメックスが新たに提唱する概念であり、人が一生の中(ライフステージ)で、自身のヘルスケアについて経験する各種イベントと、医療機関等を含む対応のプロセスを「旅路」として捉えるもの。シスメックスは、一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、さまざまな協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指しています。
 【関連するSDGs】
  
 
 シスメックスは、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の一つに「健康社会への新たな価値創出」を特定し、イノベーションを通じた医療課題解決に取り組んでいます。一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、さまざまな協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。
以上
  • 本プレスリリースは、ステークホルダーの皆さまに企業活動をお伝えするために実施しています。当社製品や研究開発の情報を含む場合がありますが、これらは製品に関するプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。また、掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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