シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒)は、2022年9月2日、遺伝子変異解析セット「OncoGuide™ NCC オンコパネル システム」(以下、「本システム」)に関して、FGFR2※1融合遺伝子を含む遺伝子再構成を有する進行胆道がんの患者さんに対するコンパニオン診断として、製造販売承認事項の一部変更申請を実施しました。
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2022年 7 月 28 日 大鵬薬品工業株式会社リリース 『FGFR阻害剤フチバチニブ(TAS-120)胆道がんに対する製造販売承認申請のお知らせ』:
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2018 年 12 月 25 日リリース 『がんゲノムプロファイリング検査用「OncoGuide™ NCC オンコパネル システム」の製造販売承認を取得』 :
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2019 年 5 月 31 日リリース 『がんゲノムプロファイリング検査用「OncoGuide™ NCC オンコパネル システム」が保険適用』:
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2021 年 2 月 8 日リリース 『がんゲノムプロファイリング検査用「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」の一部変更承認を取得~MSH6、PMS2など新規10遺伝子の変異やNTRK3遺伝子の融合、マイクロサテライト不安定性の検出が可能に~』:
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※1 |
FGFR2遺伝子:
FGFR(fibroblast growth factor receptor)はFGFR1-4の4種類が同定されており、細胞の成長や増殖に関わる線維芽細胞増殖因子受容体と呼ばれるタンパク質である。FGFR遺伝子異常には、融合、変異、増幅等があり、これら遺伝子異常により機能が活性化されると、がん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性などに結び付くと考えられている。
日本において胆道がんの一種である切除不能な胆管がんの患者を対象とした研究では、FGFR2遺伝子再構成の陽性率は、肝内胆管がんで7.4%、肝外胆管がん(肝門部領域胆管がん)で3.6%との報告がある。[出典:Maruki Y, et al. Molecular detection and clinicopathological characteristics of advanced/recurrent biliary tract carcinomas harboring the FGFR2 rearrangements: a prospective observational study (PRELUDE Study), J Gastorenterol. 2021 Mar;56(3): 250-260]
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※2 |
胆道がん:
胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん(肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんを含む)、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。
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※3 |
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)、全国がん罹患データ(2016年~2018年)および「院内がん登録全国集計」、2020全国集計 結果詳細(腫瘍情報)を元に算出。
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5年相対生存率:
あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを表す指標。
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※5 |
国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」によると、2013-14年診断例における5年相対生存率は、肝内胆管がんで20.6%、胆のうがんで29.4%である。
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※6 |
がんゲノムプロファイリング検査:
進行胆道がんを含む固形がんを解析対象とした腫瘍組織の包括的ながんゲノムプロファイルを取得することで、患者さんのがん固有の遺伝子異常を解析し、診断や効果が期待される抗がん剤の選定など治療方針の決定に有用な情報を提供する検査。
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フチバチニブ(Futibatinib、開発コード:TAS-120):
化学療法などの前治療歴がある胆道がん患者さんを含む、FGFR1-4遺伝子異常を持つ進行固形がんへの治療薬として、大鵬薬品が開発中の新規経口抗がん剤。胆管がんの治療薬として、2018 年 5 月に米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定、2021 年 4 月に前治療歴を有するFGFR2 融合遺伝子を含む遺伝子再構成を伴う局所進行または転移性胆管がんに対してブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定を受け、2022年3月には新薬承認申請を優先審査指定で米国FDAが受理している。
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