Sysmex Journal Web

2008年Vol.9 No.3

論文

ニワトリ検体が測定可能な鳥インフルエンザウイルス抗原迅速検出キット「ポクテム トリインフルエンザ」の基本性能

著者

斉藤 紀幸*1, 長谷川 武宏*2, 一口 毅*2

*1 シスメックス株式会社 研究開発企画本部
*2 シスメックス株式会社 診断薬開発本部

Summary

ニワトリ検体を測定対象とした動物用体外診断用医薬品「ポクテム トリインフルエンザ」 ( 以下,本キット;シスメックス社 ) は,ヒト用のインフルエンザ迅速診断キットでのニワトリ検体測定時に発生した不具合を試薬組成変更により改善したキットである. 高病原性鳥インフルエンザウイルス ( H5N1 ),または低病原性鳥インフルエンザウイルス ( H9N2 ) を感染させたニワトリから経日的に採取した検体を本キットとウイルス分離検査で測定した結果,どちらのウイルスにおいても,ウイルス分離検査で陽性と判定された時期と同じ時期から本キットでも陽性と判定できた. 健常ニワトリ301羽から採取した気管拭い液と総排泄腔拭い液を測定した結果は,ウイルス分離検査および本キットで全検体陰性であった. 本キットの最小検出感度は,3.3 log10 TCID50 /mL であった. 本キットは,鳥インフルエンザに類似した疾病の原因病原体11株には反応せず,H1 ~ H15 亜型A型インフルエンザウイルス20株に反応性を示し,インフルエンザウイルスに特異的であった. 以上より,本キットは,操作の簡便性や迅速性という特徴を有した,ニワトリ検体中のインフルエンザウイルス抗原検出が可能な試薬であり,鳥インフルエンザの感染拡大防止などの防疫措置に迅速に対応するうえで有用なキットであると考える.

Key Words

鳥インフルエンザ, 迅速診断キット, イムノクロマトグラフィー, ポクテム