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2007年Vol.8 No.2
論文土屋 直道, 前川 芳明, 山本 慶和, 松尾 収二
天理よろづ相談所病院 臨床病理部
骨髄球や後骨髄球などの幼若顆粒球は,末梢血液中には通常出現しないが,骨髄の回復期や重度の感染症,癌の骨髄転移,骨髄性の白血病などにおいてみられる. したがって,幼若顆粒球を検出することは重要であり,多項目自動血球分析装置には,その検出性能が要求される. 今回,我々は多項目自動血球分析装置XE-2100( シスメックス社 ) によって算出されたIG %と血液塗抹標本を顕微鏡下で観察して求めた幼若顆粒球比率とを比較し評価した. XE-2100 のIG%は,目視鏡検による幼若顆粒球比率に対して,y=0.9458X+ 0.7448,r=0.8969 と良好な相関を示し,幼若顆粒球の検出に有用であった. IG master を活用することにより,幼若顆粒球を無駄なく確実に捕らえることができるので,日常業務の合理化・効率化と検査の質の向上に繋がると考えられる. ただし,過分節好中球や巨大好中球を認める一部の症例では,成熟好中球と幼若顆粒球の分画が不適切となり,IG %の偽高値が認められた. また,IG領域が誤って単球領域とみなされ,IG%が偽低値となった症例も見られた.
多項目自動血球分析装置XE-2100, 幼若顆粒球, IG Master
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