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2006年Vol.7 No.2
論文川上 公宏*1, 阿部 義明*1, 今滝 修*1, 玉井 洋太郎**1, 萩原 將太郎*1, 栂野 冨輝*1, 石田 裕二*2,
天野 功二*2, 草間 貴美子*3, 新森 栄一郎*3, 梁瀬 博文*3, 池内 直美*4, 戸田 隆*4, 桑原 崇記*4,
鈴木 康之*4
*1 静岡がんセンター 血液・幹細胞移植科
*2 静岡がんセンター 小児科
*3 静岡がんセンター 感染症科
*4 静岡がんセンター SRL 検査室
多項目自動血球分析装置XE-2100 ( シスメックス社 ) のIMIチャンネルを利用したHPC測定は,末梢血検査の検体を用いて簡便に実施できる. 我々は,末梢血幹細胞採取時期の決定にCD34 陽性細胞数またはHPC数を用いている. 今回の検討は,自己末梢血幹細胞移植および同種末梢血幹細胞移植の適応と判断された患者および末梢血幹細胞提供者( ドナー ) の73名について行った. 化学療法とG-CSFを併用した幹細胞採取は53名に対して行い,採取はHPCが20/μL 以上の時に行った. 77回の末梢血幹細胞採取を行い,CD34 陽性細胞が体重あたり100万個以上採取できたのは69回
( 89.6% ) であった. 1回の幹細胞採取で得られたCD34陽性細胞の平均値は6.04x106/kgであり,骨髄腫でタンデム移植を行う際にも十分な量の採取が可能であった. 採取された体重当たりのCD34 陽性細胞数と末梢血HPC数には相関が認められた. 幹細胞提供者にはG-CSF単独での動員を行った。採取時期はCD34陽性細胞数10/μL以上とし,HPCも同時に測定した. ドナー16名に対して26回の採取を行い,CD34 陽性細胞がドナー体重あたり100万個以上採取できたのは23回( 88.5% ) であった. 1回の採取で得られたCD34 陽性細胞の平均値はドナー体重当たり2.68x106/kg であった. 採取された体重当たりのCD34 陽性細胞数と末梢血HPC数には相関は認められなかった( r=0.346 P=0.0836 ). 4名のドナーにおいて,G-CSF開始後4日目でCD34 陽性細胞が10/μL以上であったがHPCは10/μL未満であり,5日目でHPCが20/μLを越えたとはいえ採取の時期をHPC数のみでは決定できなかった.
多項目自動血球分析装置, XE-2100, 幹細胞採取, 移植, 患者, HPC
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