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2003年Vol.4 No.1

論文

マルチダイリューション測定( MDA )を用いた第VIII因子活性測定の検討

著者

新井 信夫, 小倉 優子, 笠井 年和, 石井 剛

シスメックス株式会社 学術部

Summary

全自動血液凝固測定装置CAシリーズ( CA-7000,CA-1500 )に搭載されているマルチダイリューション測定( MDA )とは,凝固因子活性測定において,患者血漿を自動的に段階希釈測定して活性値を求めるとともに,得られた回帰直線の外形,直線性,傾き,検量線との平行性をオペレーターが比較することによって,重度の因子欠乏症や検体中のインヒビターの存在を推測する機能である. 最新のシステムプログラムでは,検量線との平行性の度合いを表す指標としてSR ( Slope Ratio )が追加され,機能の強化が図られた.

我々は,第VIII因子インヒビター血漿及び第VIII因子欠乏血漿を用いて,第VIII因子活性測定におけるSRの有用性を検討したので報告する。

Key Words

マルチダイリーション測定( MDA ), 第VIII因子測定, APTT, Slope Ratio ( SR )