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2002年Vol.3 No.1
論文山下 和昭, 白波瀬 泰史, 花村 卓司
シスメックス株式会社 試薬開発本部
血中トリグリセリド( TG )濃度の日常検査法には,リポプロテインリパーゼ,グリセロールキナーゼ,グリセロール-3-リン酸オキシダーゼ( GPO ),ペルオキシダーゼ( POD )を用いた酵素法( GPO-POD比色法 )が広く用いられている. しかし,この方法は開封後に感度が低下したり,還元性物質の影響を受け易い等の問題点を有している. そこで,これらの問題点を回避する新規UVエンドポイント法( HK-UV法 )試薬“ TG試薬・KL「コクサイ」 ”を開発した. 本測定試薬の同時再現性はCV値1.0 %以内であり,少なくとも2,400mg/dL まで原点を通る良好な直線性を示した. ビリルビン,ヘモグロビンを始めとする還元性物質の影響は認められなかった. さらに,従来法試薬に比べ開栓後の感度が安定しており,35日間感度の変動を認めなかった. CDC実用基準法であるCarlson 変法やJSCC勧告法との相関性は良好であり,正確性にも優れていることが示された. 検体中の濁りは第一試薬添加により1.0%イントラファット添加まで除去されることを確認した. 以上の結果から,本測定試薬は従来のGPO-POD比色法試薬の問題点を解決した非常に有用なTG測定試薬であることが示された.
Triglycerides, UV, Endpoint, CDC, JSCC
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