Sysmex Journal Web

2020年Vol.21 No.2

論文

全自動血液凝固測定装置 CN-6000を用いた血小板凝集能測定の基礎的検討

著者

江頭 舞 , 河野 麻衣 , 中島 享子 , 北野 圭介 , 坂寄 輔

シスメックス株式会社 第一エンジニアリング本部

Summary

血小板凝集能検査のゴールドスタンダード法である透過光法はこれまで半自動の装置が主流であったが,近年,ルーチン検査で使用する全自動血液凝固測定装置CS-5100 ( シスメックス株式会社:以下,CS-5100:シスメックス) で血小板凝集能の測定が可能となった.それにより別々の測定装置の保有が必要であったルーチン検査と血小板凝集能検査の装置が集約可能となり,分注の自動化に伴った測定精度の向上も実現した.今回,新たな全自動血液凝固測定装置CN-6000 ( 以下,CN-6000:シスメックス) について血小板凝集能測定の基礎性能評価を行った.
試薬はシスメックスの販売する血小板凝集能試薬を用い,終濃度はADP:2.0 μM,コラーゲン:2.0 μg/mL,アラキドン酸:1.0 mM,エピネフリン:5.0 μM,リストセチン:1.2 mg/mL でCN-6000 における同時再現性・オンボード安定性・CS-5100 との相関性の評価および基準範囲を算出した.試料は正常試料として健常人ボランティアからの乏血小板血漿 ( PPP ) と多血小板血漿 ( PRP ),異常試料として健常人ボランティアからのPPP と抗血小板薬を添加したPRP および人工的に調製したPRP を用いた.
同時再現性 ( n=30 ) においてはすべての項目で,正常試料はCV が5.0%以内,異常試料はCV が13.0%以内,オンボードは10 時間まで安定であった.CS-5100 との相関性 ( n=130 ) は,すべての試薬で相関係数r=0.97 以上と極めて良好な結果が得られた.また,基準範囲はADP 凝集:59.1 ~98.3%,コラーゲン凝集:80.8 ~100%,アラキドン酸凝集:63.2 ~100%,エピネフリン凝集:68.8 ~99.8%,リストセチン凝集:77.7 ~100%であった.
CN-6000 はCS-5100 と比べて設置面積が約1/2 であり,処理速度も最大400 テスト/時間から最大450 テスト/時間 ( PT 単項目) へと向上している.また,血小板凝集能測定はCS-5100 と同等の結果が得られた.CN-6000 は試薬を意図した濃度に自動で希釈する新たな機能を有しており,手技間差の軽減が期待できることから今後の血小板凝集能検査の標準化へさらなる一助になると考えられる.

Key Words

血小板凝集,透過光法,CN-6000,レボヘム,自動化