Sysmex Journal Web

2011年Vol.12 No.1

論文

ストマトライザ-FB (Ⅱ) による白血球形態変化とその特徴

著者

近藤 民章, 髙木 由里, 河内 佐和子, 河野 麻理, 和田 淳, 船越 國宏

シスメックス株式会社 学術本部 セルアナリシスセンター

Summary

多項目自動血球分析装置X シリーズにおける好塩基球測定は,専用チャンネル ( WBC/BASO チャンネル ) で行われている.このチャンネルの専用試薬であるストマトライザ-FB (Ⅱ) が各白血球に及ぼす影響を電子顕微鏡により解析した.

比重遠心法および磁気細胞分離法により得た各白血球 ( 好中球,好酸球,T リンパ球および単球 ) をストマトライザ-FB (Ⅱ)で処理し,透過型電子顕微鏡で形態解析した結果,これらは3 つのグループに分類された.すなわち,①核/細胞質の断面積比 ( N/C 比 ) が比較的低く細胞外形や細胞質基質を保持したグループ ( 細胞質基質保持グループ ),②分葉核が裸核化したグループ ( 好中球・好酸球グループ ),③単核を持ち細胞質が縮小したグループ ( T リンパ球・単球グループ ) である.

②および③のグループは健常者白血球の大部分を占めることから,これらは2 種類の散乱光 ( 前方散乱光,側方散乱光 ) の情報を用いたWBC/BASO スキャッタグラム上の2つのクラスターのうち,細胞数が非常に多い下部位置に存在するものと考えられた.

Key Words

X シリーズ, 好塩基球, ストマトライザ-FB (Ⅱ), WBC/BASO チャンネル, 電子顕微鏡