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2010年Vol.11 No.3

論文

血液像自動分析装置HEG-L の性能評価と導入効果について

著者

小島 由加理, 清水 早苗, 齊藤 恭子, 和田 壽子, 宮越 伸治

福井県立病院 検査室

Summary

血液像自動分析装置HEG-L ( HEG-L;シスメックス社 ) は,塗抹標本作製装置SP-1000i  ( SP-1000i ;シスメックス社 )で作製した塗抹染色標本を自動的に受け取り,標本上の白血球細胞をCCD カメラで撮像し,白血球分類を自動的に行う装置である.今回我々は,HEG-L の白血球自動分類の性能を評価するとともに,HEG-L を導入したことで業務の効率化が図られたかどうかの検証を行った.性能評価としては,HEG-L による自動分類結果と熟練技師によるレビュー後の分類結果の一致率は97%と高く,日常業務に使用するために十分な白血球自動分類性能を有していた.また,しきい値を最適化することにより,装置の初期設定よりもさらに効率的な運用が可能となった.導入効果については,HEG-L を使用した場合は目視法よりも血液像報告完了までの時間が短縮できることが確認でき,検査業務の迅速化に繋がることが検証できた.

Key Words

血液像自動分析装置, 白血球分類, HEG-L