Sysmex Journal Web ※このコンテンツは医療従事者向けです

2010年Vol.11 No.1

論文

デイド イノビンの基礎的検討および従来PT試薬との比較検討

著者

平石 直己, 齋藤 菜穂子

秦野赤十字病院 検査部

Summary

我々は,シスメックス社の新規試薬であるデイド イノビンについての基礎的検討,および従来のPT試薬との比較検討を行った. PT試薬の標準化のためには,ヒト組織因子を用いた ISI が 1.0 に近い試薬を使用することが推奨されており,デイド イノビンは,この条件に適合したPT試薬である. 検討の結果,デイド イノビンは従来試薬に比べ安定性に優れ,ヘパリンの影響を受けにくかった. そのため,デイド イノビンは PT-INR での管理が難しいワルファリン導入初期のヘパリン投与患者においても,より正確なモニタリングができると考えられる。従来試薬との相関も良好で,日常検査に問題なく使用できる試薬であるといえる.

Key Words

デイド イノビン, ISI, Local SI, 組織因子