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　再生細胞医療においては、生きた細胞を原料とすることや、細胞に個体差があることなどから、提供する製品の安全性や有効性を担保するための品質管理試験が極めて重要とされ、特に無菌検査は、生きた細胞が感染の要因となりうることからも重要視されています。
　また、再生細胞医療産業においては製造規模の拡大や効率化が重要な課題であり、品質管理試験の迅速化は、この課題の解決にも資すると考えられます。

　このような背景のもと両社は2025年3月、シスメックスが保有する品質管理検査システムとJ-TECの再生医療等製品の開発・製造経験を融合させることで、品質管理試験の共同開発を行うための共同研究契約を締結しました。

　シスメックスは、アカデミアと共同で実施した研究において、シスメックスのフローサイトメトリー技術が再生細胞医療における無菌試験として活用できる可能性が示唆されており、2025年度中の市場導入（研究用途）を予定しています。
　J-TECは、このシスメックスの技術を再生医療等製品に導入できるよう、同社の再生医療等製品の製造や開発、販売経験に照らし合わせて最適化を推進していきます。

　本共同研究によってフローサイトメトリー技術が従来法と同等の感度を示し、かつ迅速性を証明することができれば、製品の安全性を維持しつつも、従来は数週間程度を要することもある無菌検査を、数十分程度に短縮することもできる可能性があると期待されます。なお、再生・細胞医療・遺伝子治療製品の製造における無菌試験の世界市場規模は、2022年には約2億8,000万ドル、2033年には13億6,000万ドルに達すると推計されています。

　シスメックスとJ-TECは、本活動および両社で検討中の新たな戦略テーマを通じて再生細胞医療の品質管理などにおける課題解決を目指し、日本の持続可能な再生細胞医療産業の発展に貢献します。