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OSNA™法を用いたがんリンパ節転移検査システムが子宮頸がん・子宮体がんに適応拡大

~「リノアンプ™CK19」の一部変更承認を取得~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒)は、乳がん・大腸がん・胃がん・非小細胞肺がんのリンパ節転移検査用試薬として販売している、遺伝子増幅検出試薬「リノアンプCK19」に関して、子宮頸がん・子宮体がんのリンパ節転移検査に適応拡大する製造販売承認事項の一部変更申請について、2022年10月7日付で承認を取得しましたので、お知らせします。

 子宮頸がん・子宮体がんの治療におけるリンパ節転移の有無はがんの進行度を決定する指標の一つで、リンパ節転移検査は術式や術後補助療法などの治療方針を決定するうえで重要な役割を担っています。
 通常、リンパ節転移検査では手術で摘出したリンパ節の切片を用いて病理標本を作製し、術中または術後に病理医が顕微鏡によりがん細胞の有無を確認します(病理組織学的検査)。この検査は病理医の作業負担が大きく、病理医の不足と相まって医療現場における課題となっています。

 シスメックスは、独自の技術であるOSNA法※1を用いたがんリンパ節転移を迅速に検出する検査システム「遺伝子増幅検出装置 RD-100i」および「リノアンプBC」を2008年に国内に発売し、同年に製造販売承認を乳がんで取得して以降、適応がん種の拡大に取り組んできました。2018年には、検査時間の短縮や同時測定可能な検体数の増加により処理能力をさらに向上させた「遺伝子増幅検出装置 RD-200」および「リノアンプCK19」を発売し、分子生物学的手法を用いた国内唯一のリンパ節転移検査として保険適用を受けています。

 本システムによりがんリンパ節転移検査を自動化・簡便化し、検査者の熟練度に依存しない客観的な検査結果を提供することで、病理医の負担軽減だけではなく医療の均てん化※2や患者さんの負担・QOLを考慮した治療方針の決定などに貢献しています。

 このたび、乳がん・大腸がん・胃がん・非小細胞肺がんのリンパ節転移検査用試薬として販売している「リノアンプCK19」の子宮頸がん・子宮体がんへの適応拡大について、一部変更承認を取得しました。子宮頸がん・子宮体がん患者さんのリンパ節転移検査において、本システムを用いた迅速かつ精度の高い検査結果を提供することで、適切な治療方針の決定などに貢献できることが期待されます。

 シスメックスは今後も、OSNA法によるリンパ節転移検査の普及を促進し、医療の標準化や患者さんのQOL向上に貢献します。
 
【製品の概要】
  販売名: リノアンプ™CK19 (一般的名称:サイトケラチン19mRNAキット)
  使用目的:

摘出された乳癌、大腸癌、胃癌、非小細胞肺癌、子宮頸癌、又は子宮体癌所属リンパ節中のリンパ節中のサイトケラチン19(CK19)mRNAの検出
(乳癌、大腸癌、胃癌、非小細胞肺癌、子宮頸癌、又は子宮体癌におけるリンパ節転移の診断補助)

  体外診断用医薬品製造販売承認番号:
23000EZX00019000


  【参考】
   
2018年5月10日リリース『OSNA™法を用いたがんリンパ節転移検査システムの新製品「遺伝子増幅検出装置 RD-200」「リノアンプ™CK19」を発売』
https://www.sysmex.co.jp/news/2018/180510.html
 
  【注釈】
   ※1
OSNA(One-Step Nucleic Acid Amplification)法:
 前処理工程の一部である核酸の抽出・精製が不要で、ワンステップで遺伝子増幅を可能とするシスメックスが開発した技術。
 
   ※2
医療の均てん化:
全国どこでも標準的な専門医療が受けられるように医療技術などの格差の是正を図ること。
 
 
【シスメックスのマテリアリティ】
  シスメックスは、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の一つに「製品・サービスを通じた医療課題解決」を特定し、臨床価値の高い製品の開発・供給に取り組んでいます。これまで培ってきた独自の技術やグローバルネットワークを活かして、今後も医療の発展とともに人々の健やかな暮らしへの貢献を目指した取り組みを進めてまいります。
 
 
以上
  • 本プレスリリースは、ステークホルダーの皆さまに企業活動をお伝えするために実施しています。当社製品や研究開発の情報を含む場合がありますが、これらは製品に関するプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。また、掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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