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国内初リキッドバイオプシーによる大腸がんRAS遺伝子変異検査の製造販売承認を取得

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)は、RAS遺伝子※1変異検出キット「OncoBEAM™※2 RAS CRCキット」について、国内での製造販売承認を取得したことをお知らせします。本製品は血液中に遊離した微量な腫瘍由来DNAからRAS遺伝子変異を検出するもので、リキッドバイオプシーによる大腸がんのRAS遺伝子変異検査に用いる体外診断用医薬品としては国内初となります。従来の腫瘍組織を用いた生体検査より低侵襲かつ簡便であり、また腫瘍組織を用いた場合と同等の判定結果を提供※3することが可能であることから、患者さんの身体的・精神的負担の軽減や検査機会の拡大、早期の治療方針確定に貢献します。

 近年、がんなどの診断や治療法選択において、腫瘍組織の一部を採取して行う生体検査(生検)に代わる新たな手法として、血液などの体液を用いたリキッドバイオプシーによる低侵襲な検査のニーズが高まっています※4。シスメックスは、社会の持続可能性向上への貢献と、新たな技術や新規市場の創出による企業価値向上を目指して「製品・サービスを通じた医療課題解決」を優先的課題(マテリアリティ)に定めており、その活動の一つとして、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する個別化医療の実現や身体的負担の少ない検査の普及に向けた研究開発を進めています。


 「OncoBEAM™ RAS CRCキット」は、大腸がん患者の血液中に遊離した腫瘍由来DNA(血中循環腫瘍DNA、以下「ctDNA」)を検体として、BEAMing技術を用いてRAS遺伝子変異を高感度に検出し、分子標的治療薬セツキシマブ(遺伝子組換え)およびパニツムマブ(遺伝子組換え)の大腸がん患者への適応を判定する補助情報を提供することで、医師による治療方針の決定を支援するものです。本製品は、子会社であるシスメックス アイノスティクスがメルク社(Merck KGaA、本社:ドイツ ダルムシュタッド市)と共同開発したものであり、2016年3月には欧州IVD指令に適合してCEマークを取得し、欧州では既に臨床用として運用されています。日本においても、国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院をはじめとする国内8医療機関と共同で本製品の多施設臨床性能試験を実施し、体外診断用医薬品としての製造販売承認を取得しました。本製品を用いた遺伝子検査は、従来の腫瘍組織を用いた検査を受けることが困難な患者さんへ適切な治療を受ける機会を提供します。さらに、生検ではなく低侵襲かつ簡便な採血により検体を入手できるため、患者さんの身体的・精神的負担を軽減し、検査開始までに要する時間の短縮、ひいては早期の治療方針確定にも貢献します。


 今後、リキッドバイオプシー検査として大腸がんの血中RAS遺伝子変異検査受託アッセイサービス「OncoBEAM™ RAS CRCアッセイサービス」を神戸医療産業都市内「シスメックスIMPラボラトリー」にて開始予定です。また、さらなる患者さんの受診機会拡大のため、本製品の保険適用申請を予定しています。
 

 シスメックスは、今回のOncoBEAM™ RAS CRCキットや、がんゲノムプロファイリング検査として2019年6月1日付で保険適用となったOncoGuide™ NCCオンコパネル システム※5などの新たながん診断法を一日も早く患者さんにお届けすることで、個別化医療の実現をグローバルにリードし、患者さんのQOL向上および医療の発展と進化に貢献します。


【製品の概要】


  販売名: OncoBEAM™ RAS CRCキット
  利用用途:
血漿から抽出したゲノムDNA中のRAS(KRAS及びNRAS)遺伝子変異の検出
(セツキシマブ(遺伝子組換え)及びパニツムマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸癌患者への適応を判定するための補助に用いる)
  対象市場: 日本
  対象施設: 国内医療機関および臨床検査センター 他
  体外診断用医薬品製造販売承認番号:30100EZX00010000 (承認日:2019年7月19日)

  【参考】
   ・
2016年4月6日リリース『転移性大腸がんの血中RAS遺伝子変異検査がCEマーク(欧州整合規格)を取得~臨床での運用開始~』
 
  【注釈】
  ※1
RAS遺伝子:
RAS遺伝子(KRAS/NRAS遺伝子)変異を有する患者は、抗EGFR抗体薬投与により利益(延命効果、腫瘍縮小)が得られない可能性が高いため、コンパニオン診断として、治療に先立ちそれらの遺伝子変異検査が行われる。
 
  ※2
OncoBEAM™:
Johns Hopkins大学が開発したBEAMing技術(Bead, Emulsion, Amplification, and Magneticsの各頭文字をとって命名された、高感度PCR技術とフローサイトメトリー技術を融合させた遺伝子解析手法)によって血中の微量遺伝子変異を検出する当社の技術名称。
 
  ※3
国内多施設臨床性能試験結果より、従来の腫瘍組織を用いたRAS遺伝子変異検査と同等の判定結果の提供が可能であることが報告されている。出典:British Journal of Cancer volume 120, 982-986 (2019)
 
  ※4 日本臨床腫瘍学会が発行する「大腸がん診療における遺伝子関連検査のガイダンス 第4.1版(2019年5月発行)」において、大腸がんに対するリキッドバイオプシーの必要性やctDNA検査の臨床有用性が記載されている。 
 
  ※5 OncoGuide™ NCCオンコパネル システム(医療機器製造販売承認番号:23000BZX00398000):
(参考)2019年5月31日リリース『がんゲノムプロファイリング検査用「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」が保険適用』https://www.sysmex.co.jp/news/2019/190531.html
 
 以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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