⾎液にはさまざまな情報がたくさん詰まっており、⾎液検査は私たちの健康管理のバロメーターとして⽋かせないものです。
このページでは、⾎液検査でわかることや⾎液に関する基礎知識などをご紹介します。
貧⾎や⽩⾎病、その他臓器の異常など、疾患の有無を早期に発⾒するために⾎液検査を⾏います。
⾎液内に含まれる成分、量等を調べることで、疾患の診断や治療⽅針の決定にあたって有益な情報を得ることができます。
治療中の疾患の経過観察、治療効果の確認にも有効です。
採 血
⾝体から採取された⾎液は、機器と試薬を⽤いて測定を⾏い、さらに詳しい検査が必要かどうかにふり分けられます。詳しい検査が必要でないと判定されたものは、そのまま医師に結果が報告されます。
測定・分析
採⾎後の最初に⾏われる測定の結果、詳しい検査が必要であると判定されたものは⾎液細胞の形がわかる標本にして、検査技師が顕微鏡を使って確認することもあります。顕微鏡で細胞の異常を⾒分けるには、熟練の技術が必要です。この検査も機器で測定することができます。
診 断
検査データが医師に届きます。機器の進化によってより詳細な分析を⾏えるようになり、診断に役⽴つ情報なども加えた報告が⾏われます。
⾎液検査には、検査機器と検査試薬が必要です。シスメックスは、⾎液のさまざまな検査に必要な機器と試薬をお客様へお届けしています。
⾎液中の⾚⾎球や⽩⾎球などの数や種類、⼤きさを測定・分析する検査です。より精密な検査が必要かどうかの判断材料になります。
⾎液を固めて傷⼝をふさいだり、⾎液の固まり(⾎栓)を溶かしたりする働きの状態を調べる検査です。⼿術や投薬の際の重要な指標になります。
⾝体の中から、ウイルスやがん細胞などの異物を取り除こうとする働き(免疫)の状態などを調べ、病気の原因や種類、症状などを判定する検査です。
栄養分を消化・吸収し、⽼廃物を排泄する働き(代謝)に関わる臓器の状態を、⾎液に含まれる糖や脂質、タンパク質などの成分から調べる検査です。
遺伝⼦を検出・分析することにより、患者さん⼀⼈ひとりの特性にあった最適な治療⽅針の決定や投薬の判断に貢献する検査です。
疾患の状態は⼀⼈ひとりで異なるため、同じ病気であっても同じ治療法を適⽤することが必ずしも正しくないことは以前より知られていました。近年では、遺伝⼦解析技術の進展により患者さん⼀⼈ひとりに最適な治療法の選択ができるようになってきています。最適な治療法の選択は、患者さんの⾝体的な負担の軽減だけでなく、医療費の抑制にもつながります。
患者さん⼀⼈ひとりに最適な医療を提供するため、シスメックスはがん、慢性疾患をはじめとするさまざまな疾患領域において、今までにない価値の⾼い検査・診断技術の創出に向けた研究・技術開発を⾏っています。⾎液や体液から、がんなどの疾病の検査を⾏うリキッドバイオプシーにより適切な診断・投薬に貢献し、個別化医療の実現を⽬指します。
⾎液には、健康のバロメーターとなる
さまざまな情報が詰まっています。
そんな⾎液についてご紹介します。
⾎液にはさまざまな情報がたくさん詰まっており、⾎液検査は私たちの健康管理のバロメーターとして⽋かせないものです。
体調不良のときに病院で⾎液検査をしたり、職場や学校の健康診断で定期的に⾎液検査をするのはそのためです。
⾎液は、体重の約13分の1を占めており、成⼈では2リットルのペットボトル2本から3本に相当します。
また、⾎管は全てつなぐと約10万kmで、地球を2周半する⻑さになります。
まず、重要な役割として「運搬」があります。酸素、⼆酸化炭素のほかに、栄養素、ホルモン、免疫物質の運搬、さらには⽼廃物を体外に排出する役割を持っています。
細菌などの異物の除去や、怪我などで出⾎したときに出⾎を⽌める役割があります。⾎液には、出⾎を最⼩限に抑え、体の⾎液の量を保ち、⽣命を維持する働きがあります。
⾎液には、体内で作られた熱を体全体に広め、体温を調節するなどの、体の中の環境を調整する役割があります。
⾎液を採取し、顕微鏡でのぞくといろいろな成分が含まれていることがわかります。
⾎液の中⾝は、⾚⾎球、⽩⾎球、⾎⼩板の⾎球成分と栄養素やホルモン、不要物などを運ぶ⾎しょう(約90%が⽔分)とに分けられます。
⾚⾎球は⾎球の中でもっとも多く、全体の約96%を占めています。⾎液が⾚いのは、⾚⾎球の中に酸素と結合したり離したりできるヘモグロビンという⾎⾊素があるためです。⾚⾎球は肺と各組織の間で酸素と⼆酸化炭素を運搬する役割を担っています。⾚⾎球の⼤きさとヘモグロビン量(⾎⾊素量)などを測定することにより、貧⾎の種類・性質などがわかり、原因を類推できます。
⽩⾎球の数(好中球、リンパ球等の種類ごとの数)を測定すると炎症やウイルス感染、⽩⾎病などの体の異変の有無がわかります。また、アレルギーや感染症の診断の⼿がかりとなります。
⾎⼩板は怪我などで破れた⾎管の壁の⽳をふさぎ、元通りにする働きを持っています。怪我をしたときにかさぶたができるのは、⾎⼩板が働いて⽳を防いでいるためです。⾎⼩板の数を測定することで、出⾎を⽌める働きを診ることができます。