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令和5年度「近畿地方発明表彰」文部科学大臣賞他2件を受賞

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)は、このたび公益社団法人発明協会が主催する近畿地方発明表彰において、特別賞である文部科学大臣賞1件(共同受賞*)、発明奨励賞2件受賞しました。
*NEDOプロジェクトにおいて、国立研究開発法人産業技術総合研究所、公立大学法人名古屋市立大学および国立研究開発法人国立国際医療研究センターとの共同発明の特許に対して受賞したものです。
地方発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に 寄与することを目的として、実施されている優れた発明やデザインを生み出した技術者・研究開発者を顕彰するもので大正10年より続く歴史ある表彰です。

詳細は、公益社団法人発明協会より発表されておりますリリースをご覧ください。
令和5年度近畿地方発明表彰受賞者一覧
 

【受賞内容】
1. 
受賞名:
特別賞: 文部科学大臣賞
 
受賞発明の名称:
新規な肝線維化検査方法(特許第5031928号)
 
発明内容:
本発明は、血液検査によって肝臓の線維化(肝線維化)の進行度を把握する肝線維化検査方法です。
 本発明では、肝線維化の進行により、血液中のタンパク質M2BP上の糖鎖が微小に構造変化した糖鎖修飾異性体が増加していることを見出し、この変化した糖鎖と特異的に結合するWFAレクチンを用いることで、肝線維化の進行度を把握します。
 肝線維化検査の標準法では、腹部に生検針を刺し肝臓の一部を採取する手術を伴う検査のため、強い侵襲性、高額な検査費用等の課題がありましたが、本発明により、侵襲性が低く、簡便で安価な血液検査によって肝線維化の進行度を把握できます。このため、自覚症状のある患者だけでなく、自覚症状のない幅広い受診者にも展開することができ、肝硬変や肝がんの早期治療が容易となるので、医療費の削減に繋がることが期待されます。
     
2.
受賞名:
発明奨励賞
 
受賞発明の名称:
検体分析装置(特許第4994920号)
 
発明内容:
本発明は、病院等での血液検査で日常的に用いられている検体分析装置において、血液検査に比べて煩雑な前処理が必要であった脳脊髄液、胸水、腹水などの体液検査を容易に行えるようにするものです。
本発明の検体分析装置は、体液測定モードを選択するだけで、煩雑な前処理をすることなく体液の特性にあわせた測定動作を全自動で実行します。これにより、オペレータのスキルによらず、人命に関わる緊急性の高い体液検査に迅速に対応することが可能になりました。
     
  受賞発明の名称: Dダイマー測定試薬(特許第5709425号)
  発明内容: 本発明は、Dダイマー濃度を測定するための測定試薬に関するものです。
本発明では、特定の2種類の抗体を用いることにより、血栓症判定の境界となるDダイマー低濃度付近において、Dダイマー濃度を高精度に測定でき、初期や軽度の血栓症の正確な判定に寄与します。
 
     
【「近畿地方発明表彰」 受賞歴(過去5年分)】
 ・令和4年度
 「兵庫県発明協会会長賞」 LED光源を用いた血液凝固測定装置
 「発明奨励賞」 検体処理装置
 
・令和3年度
 「兵庫県発明協会会長賞」 プロトロンビン時間測定試薬
 「発明奨励賞」 マラリア感染赤血球の検出方法
 「発明奨励賞」 細胞撮像装置
 「発明奨励賞」 異常監視機能を有する分析装置
 
・令和2年度
 「特別賞:文部科学大臣賞」 造血幹細胞の測定方法
 「発明奨励賞」 検体分析装置
 「発明奨励賞」 検体処理装置
 「発明奨励賞」 塗抹標本作製装置
 
・令和元年度
 「特別賞:文部科学大臣賞」 疾患の早期発見に有用な尿検体分析装置
 「発明奨励賞」 血液凝固、線溶機能検査用FDP測定試薬
 「発明奨励賞」 検体処理システム
 「発明奨励賞」 試料分析装置
 
・平成30年度
 「特別賞:特許庁長官賞」 白血球の正確かつ簡易な分類・計数方法
 「発明奨励賞」 検査効率を向上した尿検査システム
 「発明奨励賞」 小型の光学検出器を搭載した血球分析装置
 「発明奨励賞」 試料の攪拌性能を向上したキュベット
 

  • 技術表彰に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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