Sysmex Journal Web

2007年Vol.8 No.3

製品紹介

呼吸器感染症迅速検査キット「ポクテムS」3製品の概要

著者

新井 信夫*1, 野口 寛子*1, 山口 温輝*2

*1 シスメックス株式会社学術本部
*2 シスメックス株式会社診断薬開発本部

Summary

呼吸器感染症とは,風邪,急性気管支炎,肺炎などの総称であり,細菌,マイコプラズマ,クラミジア,ウイルスなどの微生物が原因となる.

この内,ウイルス感染症ではインフルエンザが最もよく知られており,冬から春にかけてA香港型,Aソ連型,B型の流行が見られる.

また,RSウイルスも,毎年冬季に流行し,乳幼児に重篤な細気管支炎,肺炎などを引き起こす代表的な呼吸器疾患ウイルスである. RSウイルスは感染力が非常に強く,生後1年の間に乳幼児の約70%が感染し,その約30%が気管支炎,肺炎などを起こし,乳幼児の突然死症候群の原因とも考えられている.

アデノウイルスは,発熱・咽頭炎および結膜炎を主症状とする急性の咽頭結膜熱の原因ウイルスである. アデノウイルス自体に季節特異性はないが,咽頭結膜熱は夏期に大きな流行が見られ,プールを介して流行することがあることからプール熱とも呼ばれる。5歳以下の小児の80%以上が罹患すると言われている.

当社では,呼吸器感染症に関連するこれらウイルスの迅速検査キットとして,検出時間を従来品の3分の2に短縮したインフルエンザウイルス検出キットの「ポクテムS インフルエンザ」,RSウイルスを検出する「ポクテムS RSV」,そしてアデノウイルスを検出する「ポクテムS アデノ」の3品目 (以下 ポクテムSシリーズ) を発売した。ポクテムS シリーズは,反応デバイスを操作が簡単なスティックタイプに統一し,操作方法もシリーズ間で同じにしている。また,全てのキットは10分で結果を判別できることから,一連のウイルス検査をより効率的に迅速に行うことができる。また,鼻腔から採取した検体(吸引液,拭い液) は「ポクテムS インフルエンザ」と「ポクテムS RSV」で共用できることから,インフルエンザウイルスもしくはRSウイルスの感染が疑われる場合,検体採取が1回で済み,患者の苦痛や医療従事者の作業を軽減できるメリットがある. 以下にポクテムSシリーズの概要と特長を紹介する.