Sysmex Journal Web

2007年Vol.8 No.3

製品紹介

PT 測定試薬「デイド イノビン」とAPTT 測定試薬「アクチン FSL」の概要

著者

新井 信夫, 向出 佳恵

シスメックス株式会社 学術本部

Summary

プロトロンビン時間 ( PT ),活性化部分トロンボプラスチン時間 ( APTT ),フィブリノゲン定量
( Fbg ) の3項目は,血液凝固能のスクリーニング検査として最も普及している検査である。これらの項目は,血友病や播種性血管内凝固症候群 ( DIC ) などに代表される出血傾向における凝固因子の量的・質的異常を検索するスクリーニング検査として,また最近では血栓症の抗凝固療法のモニタリング検査としても用いられている.

PT試薬の主成分である組織因子は,リン脂質に結合した状態で活性を発揮するため,試薬の標準化が難しく,また,その由来や精製度によって凝固因子に対する感度が異なることが知られている. これらを解消するために,WHOでは,試薬ごとに ISI ( International Sensitivity Index ;国際感度指数 ) を決定し,国際的に通用する指標であるINR ( International Normalized Ratio ) で報告することを推奨しており, INRを算出する際に発生する“指数”による誤差を少なくするためにISIの低い(1.0に近い) 試薬の使用も推奨している.

一方,APTT試薬においても,従来の出血傾向のスクリーニング検査だけではなく,ヘパリンに代表される血栓症の抗凝固療法のモニタリングやLAに代表される血栓症素因のスクリーニング検査にも用いられており,出血傾向・血栓症性素因のスクリーニングおよび抗凝固療法のモニタリングに使用できる試薬が必要とされている.

今回,当社では遺伝子組み換え組織因子 ( rTF )を用いた高感度PT測定試薬の「デイド イノビン」と 2種類のリン脂質を用いた APTT 測定試薬の「アクチン FSL」の販売を開始したので,以下に基礎データを交えながらこれらの試薬の特長と概要について紹介する.