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2007年Vol.8 No.1

論文

Respiratory Syncytial Virus迅速診断キットの評価

著者

高橋 和郎*1, 浜本 芳彦*2, 浅井 定三郎*3, 奥野 良信*1

*1 大阪府立公衆衛生研究所 感染症部
*2 浜本小児科
*3 あさいこどもクリニック

Summary

スティック型のRespiratory syncytial virus ( 以下RSV ) 迅速診断キット( ポクテムS RSV,以下ポクテムS ) について,基礎的に,および臨床検体を用いて性能を評価した. その結果,代表的なRSV株を用いたポクテムSの検出感度は1 ~ 6 × 10 TCID50/mLであり,他の高感度な市販キットのそれと同等であった. また,ポクテムSはA, Bサブグループそれぞれ5, 3株すべてに反応し,これら以外の22種の呼吸器ウイルスや25種の細菌類とは交差反応性を認めず,RSV特異的に反応した. RSV感染が疑われた患者からの臨床検体( 鼻腔吸引液,鼻腔ぬぐい液 ) を用いて,優良な性能を有する市販キットを対照に反応結果の相関性を比較検討したところ,双方の検体において両キットの結果に高い一致性を認めた. 以上より,スティック型のポクテムSは現行市販キットと同等の特異性と感度を有し,臨床領域での有用性が期待される.

Key Words

Respiratory Syncytial Virus, 迅速診断キット, イムノクロマトグラフィー