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2006年Vol.7 No.3
総説出口 隆
岐阜大学大学院 医学系研究科 泌尿器科学分野
多くの泌尿器科疾患は血尿あるいは膿尿を伴う. 血尿は,腎細胞癌,腎盂・尿管癌,膀胱癌,尿路結石,血管系異常の患者でしばしば認められる. 特に,肉眼的無症候性血尿では,腎・尿路の悪性腫瘍を疑い,他の原因が確定するまで検査を行うことが肝要である.
膿尿は尿路性器感染症の存在を示唆し,膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎,精巣上体炎,尿道炎などの尿路性器感染症患者でしばしば認められる. 各感染症の診断は,膿尿と細菌尿に加えて特徴的な症状が認められれば容易である. 急性の尿路性器感染症では抗菌剤治療が良く奏功するが,難治例や再発例では感染の原因となる尿路系の基礎疾患の検索を行わなければならない. 尿検査は日常の泌尿器科診療において最も基本的で重要な検査であり,尿検査異常に対して重大な疾患の見逃しのないように系統的で効率的な診療の進め方を心がけなければならない.
血尿, 膿尿, 腎細胞癌, 尿路上皮癌, 尿路結石, 膀胱炎, 腎盂腎炎, 前立腺炎, 尿道炎
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