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2006年Vol.7 No.3
総説奥野 良信
大阪府立公衆衛生研究所
現在,インフルエンザに関する最大の関心事は,新型インフルエンザがいつ出現するかということである. 中国や東南アジアだけでなく,今日ではアジア,ヨーロッパをはじめアフリカの多くの国で,H5N1亜型の濃厚な汚染が鳥類の間で進み,人にも感染して死亡者も多発している. このウイルスは,まだヒトからヒトへ効率良く感染する能力を有していないが,もし変異を起こして新型インフルエンザとして登場すると,スペインかぜ以上の被害を与えるものと懸念されている. その前に有効な対策を取る必要があり,我々の危機管理能力が問われている. 昔と違い,現在は医療が発達し,しかもワクチン,抗インフルエンザ薬,迅速診断試薬などの有力な武器を我々は手に入れているので,心配するほどの被害は出ないとする考え方もある. しかし,インフルエンザという疾患の性質を考えると,これは楽観的過ぎるのかもしれない. 対策を立てるのに,一刻の猶予もないと考えるべきである.
高病原性鳥インフルエンザ, パンデミック, オセルタミビル, ワクチン, 迅速診断キット
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