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2004年Vol.5 No.2

総説

癌診断の実際と問題点 -病理の立場から-

著者

加藤 洋

財団法人癌研究会癌研究所 病理部

Summary

血清診断,画像診断等による癌診断が広く行われているが,癌の確定診断は,通常,組織診断による. 現在,分子生物学的診断法が開発されており,一部リンパ腫や白血病の診断などで有用であるが,技術面あるいはコスト面からまだ実用的ではない. 本稿ではやや古典的な話とはなるが,現在の癌組織診断が実際にどの様に行われているのか,また,どこに問題があるのか,消化管癌を中心に紹介したい.

Key Words

消化管癌の組織診断基準, EMR材料の組織検査, 癌の悪性度診断, リンパ節転移診断