Sysmex Journal Web ※このコンテンツは医療従事者向けです

2004年Vol.5 No.1

製品紹介

細胞診標本作製装置Cyto Prep21 の概要

著者

吉田 敏之*1, 武藤 毅*2, 森 雅裕*2

*1 シスメックス株式会社 事業推進部
*2 武藤化学株式会社 開発部

Summary

病理・細胞診検査は,基礎医学や臨床医学の分野で大きな役割を果たしてきた. この検査は形態学的な情報から診断の確定,病変の広がり,発症の機序,病期,予後,治療効果の判定等について有用な情報を提供してきた. 尿等の細胞浮遊液を検体とする細胞診検査では,検体を遠心分離して細胞を集め,その濃縮液をスライドガラス上に塗抹して標本を作製する. 標本作製は経験と技術を要する作業である. これらの作業を自動化するための遠心法による装置が販売されているが,時間を要す上に,検体や遠心時間によっては細胞が集積しすぎたり,壊れたりする等の欠点があった. Cyto Prep21は,尿や細胞浮遊液等の検体を専用のスライドを通して吸引することで,塗抹標本を短時間で自動作製する装置である.

Cyto Prep21は武藤化学株式会社と株式会社アール・エー・システムズが共同開発し,武藤化学株式会社を通じて販売されている.

以下に本装置の測定原理,操作法・仕様等について紹介する.