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2003年Vol.4 No.2

製品紹介

ポクテムインフルエンザA/B の概要

著者

山口 温輝

シスメックス株式会社 試薬開発本部

Summary

近年マスコミにも多く取り上げられているように,小児のインフルエンザ脳炎・脳症が大きな問題となっている. これらは症状が急速に悪化するため,迅速な診断が必要である. また,高齢者が多数入所している老人福祉施設等では,施設内でのインフルエンザの流行を早期に食い止めなければならず,風邪をひいた患者がインフルエンザであるのかどうかを早急に確認する必要性に迫られている.

数年前までは,臨床現場でインフルエンザウイルス抗原を検査することはほとんどなかった. これは,従来の検査法では検査に長い時間がかかり,迅速な治療方針の決定に結びつかなかったことが大きな理由である.

ところが最近,インフルエンザを取り巻く状況に大きな変化が出てきており,インフルエンザウイルス抗原検査に対する考え方も変わってきている. 抗インフルエンザウイルス剤として,A型インフルエンザに対してアマンタジンが1998年 11月に認可され,次いでA型,B型両方のインフルエンザに有効なノイラミニダーゼ阻害剤も販売されるようになった. さらに,インフルエンザ迅速診断キットの発売により,インフルエンザウイルス感染症とそれ以外を判別し,素早く的確な治療の選択を行うというのが医療現場での常識になりつつある.

今回,シスメックスでは「ポクテム インフルエンザ A/B」を発売する. この製品は非常に簡単な操作でインフルエンザ感染の有無をわずか20分で判定でき,A型/B型のタイプを判別することも可能である. 以下に本キットの特徴に関して紹介する.