Sysmex Journal Web

2011年Vol.34 Suppl.3

論文(転載)

マルチウェーブ検出方式を搭載した高速処理 全自動血液凝固測定装置CS-5100 の評価

著者

A. S. Lawrie, J. M. Iseppi, I. J. Mackie and S. J. Machin

Haemostasis Research Unit, Department of Haematology, University College London

Summary

我々は,シスメックス社から発売された高速処理を可能とする全自動血液凝固測定装置CS-5100 について,同シリーズの中速処理モデルであるCS-2000i ( シスメックス社 ) を対照機種として,性能の評価を行った.本装置は,CS-2000i が10 チャネルのマルチウェーブ検出部の搭載であったものを20 に増やすことで,ほとんどのバッチ測定で処理時間を半減させることを可能としている.

今回,凝固法であるプロトロンビン時間 ( PT ),活性化部分トロンボプラスチン時間 ( APTT ),フィブリノゲン定量( Fbg ),凝固1 段法による第Ⅷ因子活性 ( FⅧ ),合成基質法のアンチトロンビン ( AT ),第 因子活性 ( F ),免疫比濁法のD ダイマー ( DDi ),フォンビレブランド因子抗原量
( VWF:Ag ) と血小板凝集法を原理としたフォンビレブランド因子 リストセチンコファクター活性
( VWF:RCo ) について評価した.第Ⅷ因子活性とVWF:RCo の測定は,複数の段階希釈したサンプルデータから直線性と検量線との平行性を確認することでインヒビターの存在あるいはサンプルの活性化状態を検出できるマルチダイリューション測定 ( MDA ) にて測定した.その他の項目については,測定値が検量線の範囲外となった場合は,自動再希釈測定を実施した.

CS-5100 の検量線の再現性および直線性は良好な結果を示した.正常域と異常域コントロール血漿を用いて,連続10 回測定を5 日間実施し,測定値の再現性を確認したところ,それぞれCV が 0.73 ~ 6.3%,0.04 ~ 9.9%であった.また,臨床検体を用いたCS-2000i との比較では,いずれの項目においてもデータは回帰直線に近接して分散し,R 値が0.96 ~ 0.99 と良好な相関性がみられ,臨床的に問題となるような乖離は認められなかった.

評価結果では,CS-5100 はルーチンの凝固項目と特殊項目ともに許容できる再現性であり,CS-2000i との相関性も良好であることが明らかになった.

Key Words

血液凝固測定装置, 高速処理, マルチウェーブ検出法

Note(s)

本稿は,Sysmex Journal. 2011 ; 21 (1) : 1 - 9 より転載いたしました.