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2022年Vol.23 No.1
学術セミナー冨田 章裕
藤田医科大学 医学部 血液内科学 主任教授
第44回シスメックス学術セミナー講演の説明資料です。(2022年6月4日(土)開催)
セミナーの詳細につきましては上記リンクよりご確認ください。
悪性リンパ腫は,血液悪性腫瘍の中で最も頻度の高い疾患であり,その数は近年上昇傾向にある。悪性リンパ腫に対する主な治療戦略は,長らく多剤併用化学療法であったが,近年のモノクローナル抗体医薬や小分子化合物などの標的薬の登場にともない。抗体薬併用化学療法のほか,化学療法薬を用いない,いわゆる「chemo free」治療の割合も高まってきている。疾患の分子診断や病型分類に加え,標的薬治療の選択においても,臨床現場における遺伝子解析の重要性が認識されつつある。悪性リンパ腫の遺伝子解析を行う際には,腫瘍組織生検検体が必須であるが,腫瘤形成を認めない例や生検が困難な部位に発症する例もあり,このような症例においては病理診断や遺伝子解析の実施が極めて困難となる。本講演では,患者の血漿,脳脊髄液などの体液を用いた遺伝子診断の可能性や微少残存病変解析などについて現状を概説し,悪性リンパ腫診療におけるリキッドバイオプシーの有用性について考察したい。
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