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2021年Vol.22 No.1
学術セミナー松岡 悠美
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 皮膚免疫学 特任准教授
第43回シスメックス学術セミナー 講演の説明資料です。
皮膚は、物理的、免疫的に外界から宿主を区別し防御する。皮膚表面には、宿主の細胞を遥かに凌駕する数の細菌、真菌、ウイルスなどの微生物が共存し、これらの微生物が宿主免疫の成り立ちに重要な役割を果たしていることが明らかとなってきている。しかし、普段害なく存在している微生物の中には、特定の条件下で病原性を発現する微生物が存在し、黄色ブドウ球菌( Staphylococcus aureus ) などは病原性片利共生菌と称され、善玉菌と区別される。近年の細菌叢研究の成果などから、常在微生物を適切なバランスで保つことができれば、感染症のみならず、アトピー性皮膚炎などの慢性炎症性皮膚疾患の発症や増悪を、ある程度防ぐことができるのではないかと考えられている。本講演では、我々が取り組んできたアトピー性皮膚炎における S. aureusの役割解析を中心とし、皮膚におけるマイクロバイオーム研究の最近の進歩を概説する。
Skin Microbiome, Atopic Dermatitis, Staphylococcus aureus , Quorum-sensing System
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