Sysmex Journal Web

2020年Vol.21 No.3

論文

プレセプシンキット HISCL™ プレセプシン試薬の性能評価

著者

三好 雅士*1, 西岡 麻衣*1, 上田 舞*1, 池亀 彰茂*2, 中尾 隆之*1

*1 徳島大学病院 医療技術部 臨床検査技術部門
*2 香川県立保健医療大学 保健医療学部 臨床検査学科

Summary

敗血症は,感染症に対する制御不能な生体反応に起因する様々な臓器機能不全を生じる病態である。重症化前の早期診断・早期治療が重要であることから,様々なバイオマーカーが開発され,用いられている。

プレセプシン ( 以下,P-SEP ) は感染初期から上昇するもので,重症度を正確に反映する臨床的指標として有用性が報告されている。本研究では化学発光酵素免疫測定法 ( CLEIA ) を測定原理とする新規P-SEP 測定試薬であるプレセプシンキット HISCLTM プレセプシン試薬 ( シスメックス株式会社:以下,HISCL プレセプシン試薬 )について基礎的性能評価を行った。さらに,血漿分離を含めた測定前段階における変動要因についても検討した。

再現性を評価した結果,併行精度CV (%):3.9 ~4.2 %,中間精度CV (%):2.6 ~3.8 %と良好であった。最小検出感度:3.48 pg/mL,希釈直線性:30,000 pg/mL まで認められた.また,回帰式:y = 1.1x - 44.2,相関係数:r = 0.98 と対照試薬との良好な相関が得られ,極端な乖離検体も認められなかった。

1,500 g/2,000 g ( 5分 / 10分 ) の各遠心条件にて比較した結果,有意な測定値差はなかった。また,凍結融解を5回繰り返した場合においても,一定の変動傾向はなく,血漿分離や凍結融解による変動は認められなかった。

HISCL プレセプシン試薬は良好な性能を有しており,敗血症の高精度な診断補助に貢献できるものと考えられた。

Key Words

プレセプシン ( P-SEP ), HISCL プレセプシン試薬, 化学発光酵素免疫測定法 ( CLEIA ), 遠心分離