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2019年Vol.20 No.3

論文

遺伝子増幅検出装置RD-200の臨床的有用性の評価

著者

辻本 正彦

大阪警察病院 病理診断科

Summary

OSNA 法は現在,主に乳癌におけるセンチネルリンパ節転移の術中迅速検査に利用されている.当院ではOSNA 法が保険収載された2008年11月から現在までOSNA 法によるリンパ節転移検査を行ってきた.今回,新たにOSNA 法の次世代機種として遺伝子増幅検出装置RD-200 ( シスメックス株式会社;以下,RD-200 ) が発売されたため,その臨床性能の評価を実施した.方法としては,同一サンプルを遺伝子増幅検出装置RD-100i ( シスメックス;以下,RD-100i ) とRD-200 で測定し,検体受取から結果報告までのTAT ( Turn Around Time )および判定結果の比較を行った.また同時に実施している捺印細胞診とRD-200 の判定結果の比較も行った.結果, RD-100i とRD-200 は98.1%,捺印細胞診とRD-200 は92.5%と高い判定一致率が得られた.さらにTAT においては,RD-100i と比較してRD-200 ではリンパ節の個数に応じて約7分~13分短縮する結果となった.本検討により,RD-200 はRD-100i と遜色ない臨床性能を有することが確認され,安全に移行できることが示唆された.またユーザビリティにおいてもRD-200 ではRD-100i が有していたいくつかの課題点が大幅に改善されており,検査現場の業務効率化にも寄与すると考えられる.今後,RD-200 が医療現場において利益をもたらすことを期待している.

Key Words

OSNA法, RD-200, リノアンプCK19, CK19