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2000年Vol.1 No.1

総説

(21世紀の臨床検査)遺伝子検査は万能か?

著者

巽 典之*1, 田窪 孝行*1, 津田 泉*1, 中村 博行*2

*1 大阪市立大学大学院 血液病態診断学
*2 大阪府立成人病センター

Summary

1953年にJ.ワトソンとJ.C.クリックがDNAの2重ラセン構造モデルを発表以来, 20世紀後半において最も素晴らしい展開を見せたのは分子生物学と遺伝子工学であり, 21世紀初頭にはヒトゲノムの全塩基配列が明らかにされるであろうと考えられている. そこで遺伝子関連工学を臨床応用すべく世界中の研究者が鎬を削っているのが現状であり, 全ての検査室が「次世代の臨床検査は遺伝子検査であろう!」と浮かれたように叫んでいるこの頃である. はたして遺伝子検査は近年沈滞気味の臨床検査社会の救世主になれるのだろうか?

Key Words

臨床検査, 遺伝子検査, 医療経済, PCR, DNAチップ