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2017年Vol.18 No.2

総説

分子疫学的手法を導入した連携施設間の感染防止対策

著者

濱田 信

独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター 感染症・腫瘍内科

Summary

医療関連感染症を防ぐための感染制御活動は高度先進医療を行う大病院から地域に根ざした活動を行う診療所まで,すべての医療施設で実践しなければならない重要な活動である.また,医療が高度に専門化し患者移動が流動的に行われる昨今の状況は,単一医療機関の活動では耐性菌の発生,拡散を防ぐことに限界があることを示しており,医療施設が連携し耐性菌の動向を把握しつつ適切な感染制御活動を協力して行っていくことが求められている.こうした状況を受け2012年4月の診療報酬改定において感染防止対策加算が改定され,加算1算定施設と加算2算定施設の設定とそれを軸にした施設間連携が開始された.2016年度の診療報酬改定においても感染防止対策加算は高評価のまま継続され,活動の重要性が認められている.

Key Words

感染対策, 分子疫学